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古事記 第3回 出雲神話とい謎

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NHK 100分de名著
古事記 第3回 出雲神話という謎

高天原を追放されたスサノオは、出雲の地に降り立ち、ヤマタノオロチを退治すると地上に稲作文化をもたらしました。…ここから 『出雲神話』 と呼ばれるよく知られた物語が展開します。

それを読み解くと、古代出雲に強大な勢力があった事実が浮かび上がってきます。古事記第3回は、歴史の表舞台から消えてしまった古代日本のもう一つの姿をひもときます。

立正大学教授 三浦佑之
『… 出雲神話は、古事記の神話の40%を超えます…つまり古事記は出雲を中心に語られている神話だと考えていいと思います。…出雲神話の中心人物は、大国主オオクニヌシ

スサノオから7代目の子孫
・幼少期は、大穴牟遅(オオナムヂ)と呼ばれる
・やがて地上を統一して大国主となる 
…つまり、偉大なる出雲の神様となったのがオオクニヌシです。…』

 

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神話 『因幡の白ウサギ』
オオナムヂには兄と弟合わせると80の神がいました。その神々が美しいと評判の因幡のヤガミ姫を妻に娶りたいと思い、因幡の国に出かけて行く事になりました。

オオナムヂも荷物持ちとして兄たちの後をついていきました。…先を行く兄たちは、因幡の国に差しかかると皮を剥がれて苦しんでいる一把のウサギを見つけた。

ウサギ:「いたいよ~」
兄神様:「どうしたんじゃ…こういう時はな、海水をあびて風に吹かれておるといいぞ」
ウサギ:「はい、ありがとうございます」

ウサギは言われた通りに海水をあびて尾根で伏せっていた…すると見る見るうちに塩が乾き風に吹かれて皮が裂ける。

ウサギ:「さっきより痛いよ…」

そこに兄たちから送れてオオナムヂがやってきました。

オオナムヂ:「どうした…ひどいではないか」

ウサギ:「私が悪いんです罰が当たったんです。…私は向こうの島に住んでいたのですが、もっと広いこちらの地に渡りたいと思いました。だから海に住むワニをだまして渡ろうと考えたのです。

『おーいワニさん。我々と君たちで数比べをしよう…では皆を集めて向こう岸まで一列に並んで…そしたら僕がその上を跳んで数えてあげる』

あともう少しというところで 『君たちまんまと引っ掛かったね』 と思わず言ってしまいました。…あとはワニたちに皮を剥がれてしまいました。」

オオナムヂ:「それはかわいそうに」

オオナムヂはウサギの身体を真水で洗い、蒲の穂綿を敷いてその上に寝かせてやりました。そうするとウサギの身体はもと通りに治ったのです。…助けてもらったウサギは別れる時にこういいました。

ウサギ:「予言します。ヤガミ姫様が選ぶのは兄神様たちではなく貴方でしょう」

そしてオオナムヂが遅れて到着するとヤガミ姫は、”オオナムジ様の元へ嫁ぎたい” と仰せになり、ウサギの言った通りになりました。

ここで面白くないのが兄たちです…「オオナムヂを殺してしまおう」…そして何度も暗殺未遂が繰り返されます。しかたなく母神様は、木の国にオオナムヂを逃がします。

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立正大学教授 三浦佑之
『… この物語のポイントは、「蒲の穂綿を敷いてその上に寝かせてやりました」 です。蒲の穂は古くから血止めの薬として使われています。医療知識をオオナムヂが持っていた…。

医療知識=王になる資格

王様はあらゆる病気を治したりする力も持っている…つまり、オオナムヂはここで王になる資格を試されて、見事に克服したとうい話なんです。

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それと ”日本海文化圏” の存在というものがあります。古事記の神話瀬は出雲が中心となっていますが、当時は日本海を中心として物が行き来する文化が広がっていました。

当時陸には路が無いのです…陸は歩けない、運べない、移動できないのです。だから海が物流の中心なのです。…朝鮮半島からいろんな物や文化が入ってくるのです。弥生時代は鉄、その前は青銅器などです。

日本海側の方が先進国だったわけです。その中心が出雲だったと考えられるのです。 …』

 

司会 武内陶子
「オオナムヂは 『木の国』 から更に 『根の堅州の国』 というところに逃げのびます。そこにはあのスサノオがいました」

根の堅州の国に逃げのびたオオナムヂは、そこで美しい姫と結ばれました。それがスサノオの娘・須勢理比売神スセリビメ)だったのです。

スサノオはオオナムヂを試すため、蛇の這いまわる部屋に寝かせたり、野原に火を放ったり、しかしオオナムヂは次々と試練を乗り越えます。

しかしこのままでは殺されてしまう…ついに二人はスサノオの寝ているうちに大切な太刀と弓矢を持って逃げだしました。

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するとスサノオは追いかけて来て…「そのお前が持っている太刀と弓矢を持ってそなたの兄弟を追い払い、我が娘・スセリビメを妻とし、葦原中国(あしはらのなかつくに)を全て治めて大国主となれ」、…。

こうしてスサノオに祝福されたオオナムヂは、見事、大国主の神となってこの地上に初めて国を作ったのです。


古事記』の
二つの世界観

司会 武内陶子
「でも出雲に根を下ろしていたと思っていたスサノオが 『根の堅州の国』 にいたというのはどういう事なんでしょうか」

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立正大学教授 三浦佑之
『… 垂直的な三層構造に神話世界はなっています。
・高天の原(天上)
・葦原の中つ国(地上)
・黄泉の国(地下)

それとは別に地上世界から広がる水平的世界…海の彼方の水平線の向こうの理想郷、世界のエネルギーがこもっている根源的世界。
常世の国(天上)
・ワタツミの宮(地上)
・根の堅州の国(地下)

恐ろしい所もある(根の堅州の国)…そこで試練を受けて垂直的世界に成長して戻ってくる。

垂直的世界=北方の影響(新しい弥生的な性格を持っている)
水平的世界=南方の影響(縄文的なインドネシア、東南アジアな)

こうした垂直的な天皇が下りてくるような世界と南方の水平的世界が混じりながら、日本神話が出来上がっているのです。…』


『国譲り伝説』
実際の ”国譲り” は大きな戦乱だった

出雲を舞台に大国主は国造りに励んでいました。賑やかで穏やかな暮らしが続いていました。…それを高天原からじっと見ていたアマテラスは言いました…

「葦原の中つ国は、我が御子に治めさせよう」

地上の繁栄を上からご覧になり、我がものにしたくなったのかも知れません。…天上の神々たちは河原に集まり会議を開いた。そしてふさわしいと思われる神を幾人も地上に送りこんだ。…しかしみな大国主に懐柔されて地上に根を下ろしてしまわれた。

思い通りにいかないアマテラスは、武勇にたけたタケミカヅチ(建御雷)を地上へと派遣したのです。…地上に降りたタケミカヅチは、海に剣を差し、その切っ先の上に胡座をかくと…

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タケミカヅチ:「この葦原の中つ国は、アマテラス様の御子が治めるべきである。大国主よどう思うか」
大国主:「それでは後を継いだ我が子がお答えします」

大国主の子の内、一人は国を譲る事を潔く了承し、もう一人はずいぶん抵抗したがやがて降参しました。…オオクニヌシは一つだけタケミカヅチに望みを申した。

「この出雲の国を献上するに当たり、
高天原に届くほど高く、
地底に届くほどの立派な柱を持った
住まいを建てて欲しい。」

…それをタケミカヅチは受け入れ、『国譲り』 は無事、行われました。

司会 武内陶子
オオクニヌシが最後に望んだ住まいが出雲大社の起源なんだそうですが、最近の発掘調査によって高さ48m、階段の長さ109mの社殿が存在していた事が明らかになったんです」

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伊集院光
「これごく最近ですよね。2000年ですから13年前、…古事記とか神話が事実なのか、単なるお伽話なのか、グチャグチャになるんですが…出ちゃったんですよね」

立正大学教授 三浦佑之
『… 実は、研究者も実際に柱が出て来てビックリしたというのが正直な話でしょうね。…そんなのお伽話だろうと思っていたものが、実際に物によって証明されてしまったわけですから。

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神話では、争いというのはあまり語られていませんが、かなり大きな争いが日本列島に起こったのではないかと考えます。

中国の歴書には、『倭国大乱』 という記事が出て来て日本列島は沢山の国が出て来て内乱状態になっていたと記されています。

つまり出雲を中心とした日本海文化圏が、結局はタマトの神々によって制圧されていった…神々というのはこの古事記を編纂した大和朝廷という事になります。

柔らかく国譲りと説明していますが実際には、そんな穏やかな事では無かったと考えます。 …』

伊集院光
「国譲りと言ってますが、あっさりオオクニヌシが、”あげますよ” とは言ってませんからね。

それに刀を海に差してその上に座って ”どうするオオクニヌシ” って…これは圧倒的な武力で迫った感じが見え見えですよね」

 

最後に
日本書紀との違い

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立正大学教授 三浦佑之
『… 同じ神話や天皇の物語を語っている書物に日本書紀がありますが、こちらは大和朝廷の正史、天皇の命令によって国家が作った正式な歴史書です。

その正史でどのように語っているかというと、…「大和朝廷の支配は初めから揺るぎないんだ」 と言わんばかりに出雲神話の部分はほとんど語られていないんです。

日本書紀の他の部分は、古事記とよく似た形で語られるのに、出雲神話だけ見事に抜けているのです。

過去よりも現在、未来に向け、日本の事を朝鮮、中国に向け主張したいというのが日本書紀であって純粋な漢文で書かれています。

対して古事記というのは、大和朝廷の歴史ではなく、在野の歴史書だと考えられます。何故かと言うと敗者に目を向けながら語っています。

出雲ですとか敗れていった、大和朝廷に滅ぼされた、物語が中巻にも下巻にも沢山出てきます。だから出雲が凄く重視されているのです。

だからオオクニヌシという神様は、
素晴らしい英雄として語らなきゃならなかったと思います。…』

 

司会 武内陶子
伊集院光
立正大学教授 三浦佑之

 

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