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光を超えた?ニュートリノの謎に迫る

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NHK サイエンスZERO
「光を超えた?ニュートリノの謎に迫る」

2011年9月、世界を揺るがす重大発表がなされました…ニュートリノという素粒子がなんと光より速い速度で飛んだという衝撃の実験結果です。

真空を進む光のスピードは、秒速30万キロメートル…ニュートリノがそれを超えたというのです…アインシュタイン相対性理論では光るの速度を超えるものはないとされています。…今回の実験結果はこれを揺るがしかねません。

科学作家 竹内薫
「第一報を聞いた時、目が点になりました…ありえないだろうというのが印象でした…これが本当だったら相対性理論が覆され科学を根底から見直さなければならなくなるのです…「物理学会ではホットな話題でインターネットに関連した論文が200本上がっています」


超高速は本当か?
ヨーロッパに真相を追う

アインシュタイン相対性理論を生み出した街、スイス・ベルン…世界を揺るがした実験は、この町に住む若い物理学者が始めたものでした…ベルン大学のジュリア・ブルネッティーさん、去年博士課程を修了したばかりです。

ベルン大学 ジュリア・ブルネッティーさん
「この実験は3年前、私が博士論文のテーマとして始めたものでした…私を指導してくれた先生、ダリオ・アウティエーロ博士が一緒にやろうと勧めてくれたのです」

リヨン原子核物学理研究所 ダリオ・アウティエーロ博士
「研究者としての基本は、ニュートリノの速度のようにまだ正確に測っていないものを最も優れた方法で測る事です…物理学の父であるガリレオは言っています…測れるものは全て測れ…測れないものは測れるようにしなさいとね」

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実験のテーマとしたニュートリノは、極めて小さな素粒子、私たちの回りを猛スピードで飛び交っています。…しかもあらゆるものをすり抜けてしまいます…とらえる事が難しい謎の素粒子として多くの研究者に注目されています。

二人の実験は、160人の研究者が参加する国際共同実験オペラの一環として行われました…スイスでニュートリノのビームを作りだし、イタリアに向けて発射、730キロ飛ぶのにかかる時間を精密に測りました。…東京から青森の距離に当たります。

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スタート地点は世界最大の素粒子の研究所CERN(欧州原子核研究機構)です…ここでは素粒子を人工的に作り出し、その性質を調べる実験が数多く行われています。

地下に作られた1周7キロの加速器に陽子を入れます…加速した陽子を発射、標的にぶつけられます…砕けた粒子がニュートリノに変化します…地中を猛スピードで移動、およそ1000分の2秒でイタリアへ到達、特殊な検出器(名古屋大学が開発)でニュートリノをとらえる仕組みです。


光速を超えた?
ニュートリノの謎

みなさん手のひらを見せてください…1秒間で手のひらを1兆個以上のニュートリノが通り抜けました…そんな感覚です。

ニュートリノは物質とは反応しないので我々の体を全部通り抜けてしますのです…今回の実験オペラは、ニュートリノの深い性質を探るのがもともとの目的でした。

ニュートリノは飛行しながらその性質を変えていくと言われています…これをニュートリノ振動といいます。…この現象を解明すれば宇宙に物質が存在する理由が分かるのではないかという宇宙の秘密に迫る事が出来るのです。

ニュートリノ振動を調べるプロジェクトのかたわら、速度を測る実験も着実に続けられました…3年間で1万5000個のニュートリノをとらえました。

去年3月、ブルネッティーさんとアウティエーロ博士は、いよいよデータをまとめてみる事にしました…ところがあり得ない結果が導き出されたのです。

光の速度と比べてニュートリノが ”57.79ナノ秒=1億分の6秒” だけ早かったのです。

ベルン大学 ジュリア・ブルネッティーさん
「何かミスをしたに違いない…計算を全部やりなおしだと思いました…ぜんぜんハッピーではなかったし、不安な気持ちでした」

予想もしなかった結果にオペラチームは、急遽ベテラン研究者9人を集め検証作業を始めました…その中で最も厳しい指摘を繰り返したのが名古屋大学の小松雅宏さんでした。

名古屋大学 小松雅宏 准教授
「みんなで否定をしようという感じなのでとにかく集中砲火です…次から次へと周りから攻撃が飛びました」

リヨン原子核物学理研究所 ダリオ・アウティエーロ博士
「みんなあり得ない結果を否定したいと考え、どこかに問題を見つけ出そうとしていました…悪魔のように厳しかったですよ」


超高速の謎
ついに衝撃の発表へ

徹底した検証は半年に及びました…およそ1億分の6秒ニュートリノの方が光より早いという結果は揺らぎませんでした。

2011年9月23日、オペラチームはついに発表を決断、セルンの大ホールには、第一線の研究者たちが200人以上つめかけました。

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「光の速度が最も早いという定説とくいちがう実験結果を報告します」…アウティエーロ博士の物理学を揺るがしかねない発表に研究者たちは固唾をのんで聞き入りました。

リヨン原子核物学理研究所 ダリオ・アウティエーロ博士
「私自身まったく予想していなかった結果を自然が見せてくれたのです…この事をとても嬉しく思っています…そしてもし結果に間違いがないとハッキリしたら、それを受け入れ従う事が私たちの義務なのです」

ベルン大学 ジュリア・ブルネッティーさん
「私たちはベストを尽くしました…後は皆さんが見て間違いがないか見てほしいのです」


超高速の謎、
更なる検証へ…

科学作家 竹内薫
「これは発表するのに怖かったと思います…袋叩きになる可能性がありますので勇気がいります。…最初の印象はこれは誤差に違いないという印象でした…730キロを1000分の2.4秒で着いてしまうのです…そして光との差が57.8ナノ秒…約1億分の6秒これは測るの大変ですよ」

超高速の疑問①
時間は正確?
原子時計を搭載したGPS時計を利用してスタートとゴールの時計のずれを正確に把握する最新システム…2つの時計のずれを後で補正すれば、正しい時間を割り出せるのです。

約5ナノ秒=10億分の5秒の精度で時計合わせが出来る技術なのです…GPSを使った時間の測定は、国際的な標準時の決定にも使われている極めて誤差が少ない方法でした。

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実験で得られたニュートリノと光の差、57.8ナノ秒に対し、GPSを使った誤差は5ナノ秒、…結果を左右するものではなかったとオペラチームは主張しています。


超高速の疑問②
超新星爆発との矛盾は?

1987年に観測された超新星爆発のデータと今回の実験が矛盾する事です。…超新星爆発の瞬間、大量のニュートリノが生まれ、それを世界で初めて観測したのが日本のカミオカンデでした。

この時、16万光年離れた超新星からニュートリノと光は、ほぼ同時に地球に到達していました…しかし、もし今回の結果が正しいとすればニュートリノの方が4年早く到達したはずなのです。この矛盾をオペラ実験の研究者はどう考えているのでしょうか。

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名古屋大学 小松雅宏 准教授
「僕らとしても十分承知していますが…今回得られた結果が否定のしようがない…我々自身、なにが本当なのかわからないという状況です」


超高速を検証
競争が始まった!

今、オペラチーム以外の研究チームがニュートリノの速度を検証する実験に挑もうとしています…その中の一つ、イタリア・ロシアが参加しているボレキシーノという研究プロジェクトです。…タンクの中に特殊な液体を入れてニュートリノを更に正確にとらえようとしています。

イタリア、ポーランドの研究者が多く参加しているイカルスというプロジェクトチームは、いち早くオペラの実験結果を否定する論文を発表しました。…ニュートリノがもし光より早いなら持っているエネルギーを失うはずなのにそのようなデータは観測されなかったというのです。

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国際共同実験 イカルス キャーラ・ヴィニョール博士
「私たちは、オペラの結果に否定的です。じかし前回出した反論は、仮説に基づいていました…今度は実際にニュートリノの速度を測ってより確実な反論をしたいと思っています」

オペラチームも新しい方法を使って検証を続けようとしています…センサーのチェックポイントを増やす事で更に詳しくデータをとろうとしています。

科学作家 竹内薫
「別のチームが別の実験装置を使って検証しないとだめです…もしこれらのチームが一致してニュートリノが光より早いという結果が出たら間違いなくノーベル賞ものの実績です」

 

 

 

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