旅cafe

旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。

次世代ロケット・イプシロン 世界に挑む人工知能ROSE

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NHK サイエンスZERO
次世代ロケット・イプシロン 世界に挑む人工知能ROSE

人類が目指し続けてきた場所、宇宙…世界の大国がその威信をかけてロケットを送りだしてきました。もちろん日本も…支えるのは選び抜かれた技術者たち…科学技術を集めた究極のハイテク、それがロケットです。

ところが今、次世代のロケットを町工場が作っちゃってるんです。…燃料はなんとプラスチック。…更に多くの技術者と大規模な管制室が必要だったロケット打ち上げの瞬間が…なんとパソコン1台で出来てしまう。

日本が世界に挑む次世代の国産ロケットを紹介いたします。


国の威信をかけた宇宙開発
これまでのロケット開発の現場

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日本が誇る大型ロケット、H2Aロケット
全長:53m
重さ:290トン

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その巨体を飛ばすためのエンジンがLE-7A
そのパワーは桁外れ、318万馬力(自動車2万台分)

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打ち上げ当日、100人の技術者と大規模な管制室

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製造、組み立て、打ち上げ、気の遠くなるほどの制度と手間が要求されるのがロケット開発の現場なのです。

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H2Aロケットの重さ290トンの内、200トンまでが推進剤、燃料なんです。青と赤の部分が燃料、青が液体水素、赤が液体酸素…液体ロケットといいます。

この2種類を混ぜて燃焼させるのが必要なのでエンジンが非常に入り組んでいるんです。…部品としてはロケット全体で100万点必要なんですが、半分の50万点がエンジンなんです。

しかし、これだけの体制で打ち上げを実施しても失敗があるんです…ロケットを打ち上げるというのは大変繊細なものなんです。


次世代ロケット・イプシロン
人工知能 ROSE搭載でパソコン1台で発射可能!

全長:24m
重さ:91トン
H2Aロケットの半分とはいえ大きいです…ところがイプシロンの管制は…

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イプシロンの管制装置)
パソコン?…実際に動いているのは普通のパソコンです。…動かしているのも二人だけ。…H2Aロケットの管制室とは大違い…いくらなんでも簡単すぎません?

JAXA 森田泰弘 教授
「パソコンさえあれば、世界中のどこからでもイプシロンの管制が出来るんですよ…これを我々は、『モバイル管制』、『イプシロン方式』 と呼んでいます」

いったいなぜそんな事が出来るのか…その秘密が…

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人工知能! 即応運用支援装置 ROSE)
イプシロンロケットは、人工知能を積んだ世界初のロケットなんです。この人工知能が何をしているかというと…ロケットを打ち上げる前に活躍しているんです。

ロケットというのは工場で作って大きいものですからバラバラにして運んで発射台で組み立てるんです。…組み立て終わると発射する運びです。

JAXA 森田泰弘 教授(イプシロンロケット プロジェクトマネージャー)
『… ロケットは、パーツを発射場で組み立てて打ち上げるんですが…組み立てた後の『点検』が超重要なんです…この点検チェックを人工知能が行っているんです。

通常は100人の技術者が50日間点検を行ってようやく発射となります…ロケットというのはハイ敵の集大成のように考えられていますが、実は職人技の超アナログの世界なんです。

そこで力を発揮するのが人工知能なんです。地上でパーツを作る時にデータを沢山とってパーツの個人差まで見破っておいて、それをロケットに教えておくんです。そうする事によって組み立てた後も、その関係性だけを合ってるかを見ればよくなるんです。

これまでのロケット開発は性能を上げるためでしたが…これからはロケットを簡単に点検出来るシステムを作る事が大事なんです。イプシロンは、ただ単に世界最高性能というだけでなくてロケットを打ち上げるシンプル性でも世界一を目指しています。

ロケットを発射台に立ててイプシロンは6日間で打てるんです。翌日片づければ都合1週間で作業終了、…今週のイプシロン、来週のイプシロンというように毎週イプシロンを打ち上げることが可能になる日も近いですよ …』


町工場が作る
次世代ロケット

実は、更に先を見据えたロケットが開発されています。イプシロンロケットは、一発38億円、…そのロケットは1000万円です。

北海道赤平市に社員17名の町工場が北海道大学と共同開発で1000万円のロケット(カムイロケット)を作りました。このロケットの燃料がポリエチレン(コンビニの袋です)、…。

植松電機 植松努さん
「安いですよ…1キロ200円のプラスチックです」

北海道大学 永田晴紀 教授
「燃料がプラスチックで火薬でも危険物でもない…つまり安全管理のための機能が簡素化出来ます」

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シンプル、安全なので取り扱いは超簡単!…丸ごと車に積んで運んだらそのまま発射…いってらっしゃーい…。

JAXA 森田泰弘 教授(イプシロンロケット プロジェクトマネージャー)
『… このロケットは、固体(プラスチック)と非常に安全な液体酸素を使っているのでハイブリッドロケットといいます。…つまり理科の実験ぐらい安全にロケットを打ち上げる事が出来るのです。

あんなに小さなロケットでも小さな衛星を打ち上げるのに大変役に立つのです。

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この10センチ四方の人工衛星キューブサット
・ピンポイントの気象観測
・農作物の生長識別
・魚群の探知
…など、開発が進められているのは、自由なアイデアの全く新しい衛星たちです。…今や宇宙は使ってナンボの世界に突入しています。

今までこのキューブサットは大きなロケットの空いたスペースに乗せて ”おまけ” で打ち上げていました。…しかし、大問題がありまして、自分の行きたい軌道には行けないんです。

ですからコストの安い小型のロケットで、上げたい時に上げたい軌道に上げられるようになるのです。…大きなロケットも必要ですが小さな衛星、大きな衛星がコンビネーションで出来る可能はもの凄く広がります。

実は、日本が最も得意とする分野で小型・高性能・低コストで力を発揮していますが…これからはロケットで力を発揮して世界をリードしていきたいと考えています。 …』

■宇宙技術の革命が日本初で起きているというのが嬉しいですね。

 

 

 

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