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世界を魅了する日本の歌謡曲~由紀さおり ヒットの秘密~

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NHK クローズアップ現代
世界を魅了する日本の歌謡曲由紀さおり ヒットの秘密~

 去年暮れ、一人の日本人歌手の登場をアメリカ・ニューヨークの観客が今か今かと待ち受けていました。…歌手の由紀さおりさんです。

アメリカのジャズ・オーケストラと組んで1960年代の歌謡曲をカバーしたアルバムが今、世界中でヒットしているのです。

今、由紀さんの日本語の歌声がなぜ世界中の人を魅了しているのか…浮かび上がってきたのは、日本人の多くが忘れている日本語の奥深さ、日本の歌謡曲が持つ欧米の音楽にはないふくよかな表現力、由紀さんの世界的ヒットの秘密を通して世界を魅了する日本の歌とはどういうものなのかを考えて行きます。


世界を魅了する
日本の歌謡曲
去年の秋、由紀さおりさんがアメリカのジャズ・オーケストラと組んで発表した『1969』というアルバムは、アメリカやカナダで話題を呼び、ニューヨーク、ボストン、ロンドンなどで開かれたコンサートは全て万席、2万人に上る観客を動員しています。

このアルバムでカバーされている曲は、全て1969年にヒットした歌です…そのうちの半数が日本の歌謡曲

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ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ
真夜中のボサ・ノバ(ヒデとロザンナ
さらば夏の日
パフ
いいじゃないの幸せならば(相良直美)
夕月(薫ジュン)
夜明けのスキャット由紀さおり
マシュ・ケ・ナダ
イズ・ザット・オール・ゼア・イズ?
私もあなたと泣いていい?(兼田えみ子)
わすれたいのに
季節の雨音
…アルバム『1969』

アルバムの中には、海外で作られた曲も含まれていますが1曲を除いては、全てが日本語で歌われていまして、由紀さんが歌う歌は日本語がわからない海外の人々の心にも届いています。

アメリカの音楽界で成功を収めたいと願うアーティストが数多くいるわけですけど、なぜ今、由紀さんが歌う日本の古い歌謡曲、しかも日本語で歌われる歌が海外の人の支持を集めるのでしょうか。

日本語の歌詞が表す事の出来る感情豊かな世界、その表現豊かな歌を日本人として誇りを持って歌いたいという由紀さん、由紀さおりさんが歌う歌の魅力を見つめます。


世界が絶賛
由紀さおりの歌声
アメリカ・オレゴン州に住む主婦のナンシーさん
「クリスマス・プレゼントなんです…パーティーで夜通しかけたわ」
「日本語の響きが、すごく音楽にあっています」

ニューヨークの国連で働く、ウラジミルさん
「言葉の意味はわかりません…でもすごく楽しめます」
「心に自然や海が浮かびます」

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twitter
「今までにない個性的な歌だ」
「驚くべき体験だ!」

ファンに共通するのは、由紀さんの歌声にそれまで聞いた事のないような新鮮な魅力をおぼえる事でした。


由紀さおり
ヒットの秘密
由紀さおりの名を世界中に広めたのは一人の男性、…たまたま地元の中古レコード店で由紀さんの歌を手にしたのがきっかけでした。

じつはこの男性、いま世界で注目を集めるジャズ・オーケストラ(ピンク・マルティーニ)のリーダー、トーマス・ローダーデールさんだったのです。

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トーマス・ローダーデールさん
「見つけたのが ”夜明けのスキャット”です…ジャケットが素晴らしかった。…曲を聴いて一瞬で恋に落ちました…夏のそよ風のような美しさでした…安らかだけど、どこか寂しいそんな気持ちになりました」

43年前の由紀さんの歌に欧米の音楽にない独特のテンポや声の抑揚など、斬新な魅力を発見したトーマスさん…往年の日本の歌謡曲が持つ新鮮な魅力を広く伝えたいと由紀さんとアルバムを作る事を企画しました。

トーマスさんは、高いキーや激しいビートを強調する近年の潮流とは逆に、あえて歌のキーを下げ、テンポを遅くするアレンジをしました。

その狙いは、日本の歌謡曲が醸し出す独特の世界観を引き出す事でした…。


日本の歌謡曲
その極意とは?
トーマス・ローダーデールさん
「由紀さんの歌う日本語には、浮世絵のような漂う感覚があります」

トーマスさんの言う日本の浮世絵のような感覚とは何なのか…音楽理論と歴史を研究する秋岡陽さんです…西洋のメロディーにいかに日本語を乗せるかを考えてきた日本歌謡の極意に秘密があるといいます。

フェリス女学院教授 音楽学 秋岡陽さん
「同じフレーズの長さで盛り込むと使う日本語は、英語やドイツ語に比べて少なくなります」

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英語では11の言葉があるのに日本語では、4つで済んでしまう…英語と比べると半分以下、…実は日本の音楽家たちは西洋の音楽が入ってきた明治時代から、限られた言葉で伝える事を追求し続けてきたのです。

動揺、『この道』『赤とんぼ』を作曲した日本近代音楽の父・山田耕作はその極意をこんな言葉で現しています。

「1+1=1…日本語と西洋の旋律を融合し、新しい音楽を生み出す」

制約があるからこそ少ない言葉に思いを込めることで、新たな深い味わいまで由紀さんは由紀さんはそれを体現していたのです。

限られた言葉だからこそ伝える事が出来る、その日本語の歌の特性を海外の大物アーティストも感じ取っています。

名曲、スタンドバイミイーで名高いソウルシンガーのベン・E.キングさんです。…日本語の響きを気に入り、去年、坂本九の『上を向いて歩こう』を日本語でカバーしました。

キングさんに今回。由紀さんが歌ったパフを聴いてもらいました。

ベン・E.キング
「信じられない、みんなが知ってる曲だよ…とても穏やかで…英語だともっとテンポが速いし押しが強い…彼女は元の曲よりも誠実に穏やかなイメージを伝えている」

■なぜ今、由紀さおりなの?って思ってましたが改めて検証してみるとヒットの理由がわかりますね。