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脚本家 北川悦吏子が勧める一冊『私の猫たち許してほしい』

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WBS スミスの本棚
脚本家 北川悦吏子が勧める一冊『私の猫たち許してほしい』

脚本家 北川悦吏子(49)ラブストーリーの神様といわれ、連続ドラマでヒットを連発、難病と闘う車椅子の女性と美容師の男性との恋愛を描いたビューティフルライフ(Beautiful Life)で向田邦子賞を受賞した。

しかし、その裏で北川自身が難病と闘っていた…ビューティフルライフも病室で書いていたという。

脚本家 北川悦吏子(49)
「免疫障害の病気でいろんなところが凄く痛くて…だからこの10年間、3分の1は病院にいました」

2000年春、最終回の視聴率が40%を超えたビューティフルライフ…脚本を手がけた北川悦吏子は、その頃10万人に1人という免疫障害の難病に襲われました。…身体に激しい痛みが走る病気でその後の10年は、1/3が入院生活でした…北川は病室で脚本を書き続けました。

 

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脚本家 北川悦吏子(49)
「本当に病気の時は、私は『連続ドラマ命』と思って、入院するとすぐに看護師さんに『私、連続ドラマ書けますか』って聞きました…ですから書く事は本当に生きる意味でした」

自ら経験しているからこそわかる難病の苦しみ、それをリアルに脚本にぶつけました。

脚本家 北川悦吏子(49)
「『オレンジデイズ』という柴崎コウちゃんが耳が聞こえない病気のドラマで ”渋谷の街歩けば私よりどうでもいいのが沢山いるじゃん…なんで私がこんな病気になるの” 普通の美しい難病ものではありえないセリフがあるんですが…多分自分がそう思ってた」…と北川は笑って話す。

一昨年受けた手術で病状は和らぎました…北川はこの経験を財産に表現を続けたいと話します。…そんな北川の一冊とは…。

絵本100万回生きた猫で知られ、去年亡くなった佐野洋子さんが日常生活や生立ちを綴ったエッセイ集です…佐野さんの世界観が溢れています。

北川は脚本家としてデビューする前に『私の猫たち許してほしい』を読みました。

脚本家 北川悦吏子(49)
「”だけど”とか”しかし”とかが全然ないんですよ…言い切りなんです。この文体は好きでチョット影響を受けているかなと思います」

中でも北川が好きなのは、失恋した友人と食事に出かける話です。

それは空腹を満たす食べ方ではなかった。
何か不気味な力に支配され、
彼女のものではない、
胃袋ではないものの中に、
シャベルで何かを
一心不乱にほうり込んでいく作業だった。
壮烈に荒れ狂った食欲が、
彼女の悲しみの深さだった。

脚本家 北川悦吏子(49)
「本当に何か…世界の切り取り方が好きだった…佐野さんがいなくなってしまったら、もう、この世界は誰も持つことは出来ない…作家とは、そういうことだと思っていて、その人がその世界を切り取った時、どう見えるのかというのが作品だと思います…佐野さんが切り取った世界観が大好きだった」

 

 

 

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