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スミスの本棚 南場智子が薦める本 サイモン・シン著『フェルマーの最終定理』
スミスの本棚、今夜のゲストはDeNAの創業者、南場智子さんが薦める本は、 『フェルマーの最終定理』 です。
フェルマーの最終定理、17世紀の数学者、フェルマーが残した数学会最大の難問を現代の天才、アンドリュー・ワイルズが証明するまでのドラマを軸に数学者たちの奮闘を描いたノンフィクションです。
DeNA創業者 南場智子
「まず数学嫌いな人が手に取らないのは残念ですね…スケールの大きさです。世紀を超え、大陸を超えっていう人類の知の作業というのが、それ自体がワクワクしてしまって…」
WBSキャスター 森本智子
「一つの数式を巡る人類の挑戦、ロマンというか、数学でこんな事が起こっていたんだと…」
数々の数学者が挑んでは玉砕してきた難問に己の人生を賭けたワイルズ、1993年ついに証明は成功したかに思われました。…ところが喜びもつかの間、ワイルズの証明に問題点が見つかってしまします。
どんなに難しくても、
どれほど勝ち目がなさそうに見えても
私が取り組んでいたのは
自分の大好きな問題だったのです。
(中略)
手放すなんて出来ません。
(サイモン・シン著『フェルマーの最終定理』より)
DeNA創業者 南場智子
「… 最後ダメになりそうで、また頑張って…頑張れる事がある、『頑張る』 って使い古された陳腐な言葉で、一部の人は嫌がるかもしれません。ども実際、頑張ること自体がとても美しくて重要な事、幸せな事なんだと思います。
自分の解決できなくて引っかかっている問題が解けた時の感動や、それをどうしても解きたいという気持ちの高揚とかが共感できるんです。
特に印象が残った部分は、物語の途中、資産家のあまり才能のない数学者が失恋をして自殺しようとする場面があるんです。
おや!っとなってそして彼は証明とか始めちゃうんですよ…
『…真夜中0時に自殺をするべく着々と死ぬ準備を進めていた
数学者、ヴォルフスケール…しかし予定の時刻まで時間が余り
ふと手に取った数学の本に論理のギャップを発見するのです…』
それでこの人、自殺するの辞めちゃうんですよ…いいでしょ …笑)。…」
彼は椅子に座り直すと
クンマーの証明の不十分な部分を調べ
ギャップを埋める小さな証明を作る事に
のめり込んでいった。(中略)
ヴォルフスケールの作業が終わったとき
夜はすでに明けていた。
(サイモン・シン著『フェルマーの最終定理』より)
DeNA創業者 南場智子
「… 純粋になった瞬間にその人が持ち得る能力が出てくる…無心になったとき、欲が無くなったときに一番人はクリエイティブになれる、一番成果がでる…そんな事を教えてくれる本です。…」
WBSキャスター 森本智子
「数学が苦手な人でも本当に読みやすくて…最後の最後、行き詰ってダメかと思ったその次の朝、閃き、視界がパッと開ける瞬間があって、そこの共感できる喜びとか、そういう人間のロマンみたいなお話なので割と入りやすく楽しめる本です。」