
熊野三山
2004年世界遺産登録
熊野三山は、2004年「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコの世界文化遺産として登録されました。熊野古道の登録は大きな話題を呼びましたが熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社も同時に世界遺産登録されているんです。
紀伊山地の霊場と参詣道
熊野三山「赤⛩:熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社」へお参りするため、全国から人々が集まってきましたので、道は1本ではありません。…6本あります。下記の地図で説明します。
紀伊路(渡辺津 - 田辺)※世界遺産ではない
小辺路(高野山 - 熊野三山、約70km)
中辺路(田辺 - 熊野三山)
大辺路(田辺 - 串本 - 熊野三山、約120km)
伊勢路(伊勢神宮 - 熊野三山、約160km)
大峯奥駈道 (吉野 - 熊野三山)
…上記6路を熊野古道と言います。一番上の紀伊路だけ世界遺産から外れています。
高野参詣道(高野山への7つの参詣道)は熊野古道ではありませんが世界遺産に含まれます。

上記、熊野三山、熊野古道、高野参詣道及び高野山、吉野・大峰を合わせて2004年「紀伊山地の霊場と参詣道」のユネスコの世界文化遺産として登録されました。
世界遺産の全容の解説に続きまして、熊野三山それぞれの神社を解説します。
熊野本宮大社
全国の「熊野神社」の総本宮にあたる熊野三山。全国3000社ある熊野神社の総本宮全国熊野神社です。
主祭神は、家津美御子大神。本殿へと続く158段の石段の両脇には幟がなびき、生い茂る杉木立が悠久の歴史を感じさせます。

神門をくぐると檜皮葺の立派な社殿が姿をあらわします。
向かって左手の社殿が夫須美大神(ふすみのおおかみ)・速玉大神(はやたまのおおかみ)の両神。中央は主神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)。そして右手は天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られており、交通安全、大漁満足、家庭円満、夫婦和合、長寿の神として人々を迎え入れてきました。

そして至る所に見られる3本足のカラス。日本サッカー協会のシンボルとして有名な八咫烏、やたがらすです。八咫烏は日本書紀・古事記の「神武東征」という物語に登場します。
これは神武天皇が、宮崎県(日向)から奈良県(橿原)に都を移し、大和朝廷を開いて初代天皇に即位するまでを描いた物語です。神武天皇が熊野に到着された時、神の使者である八咫烏が奈良まで道案内をしたというエピソードから、熊野三山に共通する「導きの神鳥」として信仰されるようになりました。

世界遺産 熊野本宮館
クルマでお越しの際は、まず大鳥居前の「世界遺産 熊野本宮館」(入館無料)に停めて参拝に向かいましょう。
地元の材木を使用した木造平屋建てで、248席の多目的ホール、展示スペース・図書コーナーなどがあります。
館内には観光案内拠点となる「熊野本宮観光協会」や、世界遺産の保全・活用を行っている「和歌山県世界遺産センター」の事務局が入り、大型バス2台を含む計58台の駐車場も完備しております。世界遺産についてお勉強しましょう。
熊野速玉大社
熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)主祭神は、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の2神。

記紀(古事記・日本書紀)にまつわる物語
二人の兄を失いながらも神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)【神武天皇】一行は熊野へと到着し、「天磐盾」へと登られた。
この「天磐盾」は、現在の新宮市にある神倉山・ゴトビキ岩であると伝えられており、ゴトビキ岩をご神体とする「神倉神社」は、熊野速玉大社の摂社です。
ここから大和への案内役として遣わされたのが八咫烏。『古事記』では高木大神(タカギノオオカミ)が、『日本書紀』では天照大神(アマテラスオオミカミ)が遣わしたとされている。この八咫烏が、「熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)」に祀られ、熊野の守り神として現代に伝えられている。
御神木「梛」なぎ
境内にそびえる樹齢千年のナギの大樹は熊野権現の象徴として信奉篤く、古来から道中安全を祈り、この葉を懐中に納めてお参りすることが習わしとされています。熊野牛王とナギの葉をいただくことが、難行熊野詣を無事果たす大きな支えとなりました。
平安末期に熊野三山造営奉行を務めた平重盛(清盛の嫡男)の手植えと伝えられ、梛としては日本最大。国の天然記念物に指定されています。

神倉神社
熊野速玉大社をお参りしたら、「神倉神社」もお忘れなく。神倉山の中腹部に位置し、そこにある巨岩はゴトビキ岩と呼ばれ、熊野の神々が最初に舞い降りた場所だと言い伝えられています。

その後、神々は熊野速玉大社に迎えられたので、神倉神社の元宮に対して、熊野速玉大社は新宮(にいみや)と呼ばれるようになりました。
神倉神社を訪れる際は、パンプス、革靴は不可、歩きやすい靴で…。鳥居のすぐ先には急な階段、538段。鎌倉時代に源頼朝が寄進したと伝えられていて、時代を問わない熊野信仰の厚さが感じられます。

神倉神社まで歩いても10分程で着きます。この2社はセットで訪問する事をお奨めいたします。

※車でお越しの際は熊野速玉大社敷地内に無料駐車場がありますのでご利用ください。
熊野那智大社
熊野那智大社は、那智山青岸渡寺とともに熊野信仰の中心地として栄華を極め、古来より多くの人々の信仰を集めました。467段の石段の上に建つ6棟からなる社殿は、標高330mに位置し、夫須美神(ふすみのかみ)を御主神としてそれぞれに神様をお祀りしています。

社殿は、仁徳天皇の御世(317年)に現在の位置に創建され、平重盛が造営奉行となってから装いを改め、やがて、織田信長の焼討に遭ったのを豊臣秀吉が再興しました。 徳川時代に入ってからは、将軍吉宗の尽力で享保の大改修が行われています。
境内には、日本サッカー協会のロゴにも用いられている“八咫烏(やたからす)”の烏石や、樹齢約850年の大楠が茂っています。
それでは熊野那智大社の楽しみ方の解説を書きの地図にて行います。
「青枠:熊野那智大社」「ピンク枠:那智山青岸渡寺」「黄枠:那智の滝」「赤枠:熊野古道(大門坂)」「黒枠:無料駐車場」

那智山青岸渡寺
同敷地内に建つ那智山青岸渡寺は、一千日(3年間)の滝篭りをされた花山法皇が、永延2年(988)に御幸され、西国三十三ヶ所第一番札所として定めたとされ、多くの信者や参詣者が全国から訪れています。
西国三十三ヶ所は、近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音信仰の霊場の総称。これらの霊場を札所とした巡礼は、日本で最も歴史がある巡礼行であり、現在も多くの参拝者が訪れています。那智山青岸渡寺は第一番札所です。
札所一覧
* 第一番 青岸渡寺
* 第二番 金剛宝寺
* 第三番 粉河寺
* 第四番 施福寺
* 第五番 葛井寺
* 第六番 南法華寺
* 第七番 岡寺
* 第八番 長谷寺
* 第九番 南円堂
* 第十番 三室戸寺
* 第十一番 上醍醐 准胝堂
* 第十二番 正法寺
* 第十三番 石山寺
* 第十四番 三井寺
* 第十五番 今熊野観音寺
* 第十六番 清水寺
* 第十七番 六波羅蜜寺
* 第十八番 六角堂 頂法寺
* 第十九番 革堂 行願寺
* 第二十番 善峯寺
* 第二十一番 穴太寺
* 第二十二番 総持寺
* 第二十三番 勝尾寺
* 第二十四番 中山寺
* 第二十五番 播州清水寺
* 第二十六番 一乗寺
* 第二十七番 圓教寺
* 第二十八番 成相寺
* 第二十九番 松尾寺
* 第三十番 宝厳寺
* 第三十一番 長命寺
* 第三十二番 観音正寺
* 第三十三番 華厳寺

那智の滝
熊野那智大社の別宮、飛瀧神社のご神体として古くから人々の畏敬を集めてきた那智の滝は「一の滝」とも呼ばれ日本三大名瀑の一つです。
落差133m、銚子口の幅13m、滝壺の深さは10mの落差日本一の名瀑で、熊野の山塊、その奥方より流れ落ちる姿は圧巻で、大晦日にはライトアップも行われます。

銚子口の岩盤に切れ目があって、三筋に分かれて流れ落ちるところから「三筋の滝」ともよばれています。
毎年7月9日と12月27日には、古来からの神事にのっとり、神社(飛瀧神社)の御神体としてこの滝を崇め、「御滝注連縄張替行事」が行われます。かつて、諸国から那智の滝に詣でる人々は、写経を経筒に入れ、お滝入口の大鳥居をくぐり左側にある「那智経塚」に写経を納めました。
熊野那智大社、管理人お奨め順路
まず上記地図「黒枠:無料駐車場」に車を停めて大門坂~熊野那智大社・那智山青岸渡寺~那智の滝…へのコースをお奨めします。ここまで来たわけですから熊野古道を体験しておきましょう。
苔むした石畳が美しい「大門坂」距離600m、石畳敷の石段は267段、入口2本の巨木は夫婦杉で高さ55m、樹齢800年。両脇は杉並木になっていまして132本立っています。
途中、熊野九十九王子最終の多富気王子跡があります。その場所に大門があったので「大門坂」と呼ばれるようになりました。


大門坂を登り切った那智山駐車場(おみやげ店等あり)から熊野那智大社へは参道の石段を約500m。上りの石段が続きますが杉木立に囲まれた熊野古道の雰囲気も満点の石段と、おみやげ店が並ぶ参道をゆっくりと登りましょう。
熊野那智大社・那智山青岸渡寺に参拝した後は、石段を下って那智の滝へ。1段の滝としては落差日本一の名瀑で、熊野信仰のご神体でもあります。
熊野古道、大門坂から熊野那智大社までの映像です。(2分35秒)
大門坂へのアクセス

大門坂入口近く(徒歩3分)には無料の駐車場があります。お手洗いもありますので安心です。こちらにクルマを停めて熊野古道に向かいましょう。
熊野古道、詳しくは「熊野古道 - 旅cafe」を参照ください。
管理人の独り言
Q:複数の神社のお守りを持つと神さまはケンカしますか?
A:「お守りをたくさん持つと大切にしない」との古くからの言い伝えに、尾ひれが付いて「神さまがケンカする」という俗説が生まれたと思われます。複数のお守りを持つことはそれぞれの神さまからご加護いただく意味があり、神さまがケンカをすることは決してありませんのでご安心ください。
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