旅cafe

旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。

時空を超えた日本の原風景…世界遺産 五箇山

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合掌造りの小さな里を訪ねて
五箇山 相倉合掌造り集落 菅沼合掌造り集落

富山県の南西端にある南砺市、赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つの谷からなるので「五箇谷間」となり、これが転じて「五箇山」の地名となった。

五箇山は、1995年には白川郷岐阜県)と共に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、ユネスコ世界遺産文化遺産)に登録されました。

世界遺産合掌造りを目的に訪問するにあたって、白川郷が  ”快適に整備された観光施設として楽しめる場所” とするなら、五箇山地区は、 ”落着いた昔ながらの里山を残した本来の姿の合掌造り集落” といえるでしょう。

今回は、そんな五箇山相倉合掌造り集落、菅沼合掌造り集落を語ります。

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五箇山 御皇室との関わり

天皇陛下
陛下が平成3年の歌会始めで詠まれたのが…

五箇山を おとづれし日の夕餉時(ゆうげどき)森に響かう こきりこの唄」

…陛下がお作りになった御歌の中の ”こきりこの唄” とは、当地に伝わる古代民謡で昭和51年、皇太子殿下(当時)が学友とともに五箇山を巡遊の際に、ご鑑賞になった本場の闊達ななかにも哀調を帯びた「こきりこささら踊り」に、いたく感銘を受けられたことによるものと思われます。

この ”こきりこささら踊り” が素晴らしいんです。

歌詞:こきりこ節
こきりこの竹は 七寸五分(しちすんごぶ)じゃ
長いは袖(そで)の かなかいじゃ
窓のサンサも デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

踊りたきゃ踊れ 泣く子をいくせ
ササラは窓の もとにある
窓のサンサも デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

向いの山に 鳴く鵯(ひよどり)は
鳴いては下がり 鳴いては上がり
朝草刈りの 眼をさます
朝草刈りの 眼をさます

窓のサンサも デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

向いの山を かづことすれば
荷縄(になわ)が切れて かづかれん
窓のサンサも デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

向いの山に 光るもん何じゃ
星か蛍か 黄金(こがね)の虫か
今来る嫁の 松明(たいまつ)ならば
差し上げて点(とも)しゃれ 優男(やさおとこ)

窓のサンサも デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

www.youtube.com

 

相倉合掌造り集落、地主神社には、陛下の歌碑が建立されています。

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秋篠宮皇嗣殿下
秋篠宮皇嗣殿下は、学習院高等科2年にご在学の時を皮切りに計4度、相倉合掌造り集落を訪れられています。

皇嗣殿下も御歌をお作りになられておりまして、お題『町』…

「暮らし映す 合掌造りの町並みを 見つつ歩めり 妹と吾子らと」

…この御歌は、平成14年8月に、ご一家で訪問され、散策された時の感慨を託されたものです。秋篠宮殿下が、相倉合掌造り集落、そして五箇山をこよなく慈しまれていたことがわかります。相倉合掌造り集落には、句碑が建立されております。

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合掌造りの歴史

五箇山は、加賀藩前田家の領地でした。山がちで平地の少ない五箇山では年貢を米ではなく、生糸、和紙、火薬の材料「塩硝(えんしょう)」、にて年貢を納めていました。合掌造り家屋はこれらの製品を作るために建てられた、合理的な住居兼工場だったのです。

生糸、和紙、塩硝を作るには、広い空間と沢山の人出が必要。20人~30人の大家族が一つ屋根の下に暮らし、年貢を作りながら生活をしていました。

なかでも「塩硝」は、家々の床下に穴を掘り、その中に土・草・蚕糞を入れて化学変化を誘引し、土の中で生成された塩硝成分を結晶化させて制作されていまして、1853年(嘉永6年)、ペリー来航により、攘夷運動が激化、外国船からの沿岸防御の必要性が叫ばれる中で、五箇山塩硝の需要は高ま り、この年の生産量は5391貫(約20トン)最高値に達しました。五箇山の塩硝は「加賀塩硝」と呼ばれ、その名を知られました。

時代は変わり、明治になると南米のチリか ら安価な硝石の輸入が始まり、300年にわたる塩硝稼ぎは1871年(明治4年)に終止符が打たれました。

 

合造り家屋の仕組み

屋根の急勾配は、雪下ろしの手間を軽減するため。それと建物は皆、同一方向(南北)を向いています。これは屋根に積もった雪を太陽を利用して溶かす仕組み。(午前中東、午後から西側)

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構造は、平屋で屋根を急勾配にする事による空間に屋根裏部屋を作って養蚕をしていた。カイコも囲炉裏の熱が上部に上がる事で寒さからも守られる仕組み。

囲炉裏については、煙が立ち上り萱が燻されることにより、虫や腐食から守る役目をもはたしている。

茅葺屋根の吹替えは30年~40年ごと…。作業は1度に200人もの人手が必要…「結」と呼ばれる共同作業が行われる。結は手伝ってもらった人が手伝いで返す助け合い。

 

五箇山
相倉合掌造り集落 菅沼合掌造り集落

五箇山の合掌造り集落は、相倉菅沼。この2ヵ所はクルマで15分ほどの距離にありまして、相倉は20棟、菅沼は9棟の合掌造りが保存されています。

注意事項!…集落は観光客を受け入れていますが、普段の生活の場でもあります。合掌造りの家屋も一般の住人が普通に暮らしています。内部を見ようとお店として営業していないようなお宅のドアを開けたりするような行為は、絶対にしない事!

…それでは五箇山エリアの解説に入ります。

赤枠:相倉集落」「青枠:菅沼集落」「ピンク枠:岩瀬家」「黄枠:村上家」「緑枠五箇山和紙の里(道の駅たいら)」「黒枠:ささら館(道の駅 上平)」

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相倉合掌造り集落(あいのくらがっしょうづくりしゅうらく)

菅沼合掌造り集落ともに、1970年(昭和45年)に国の史跡指定を受け、1994年(平成6年)に重要伝統的建造物群保存地区に選定。1995年(平成7年)に世界文化遺産に登録された相倉合掌造り集落には、20棟の合掌造り家屋が現存しています。

田畑、石垣、雪持林など懐かしい景観に囲まれ、昔ながらの生活が息づく、山間の小さな集落です。

※撮影スポットは集落駐車場の登り口から段々畑沿いに徒歩5~6分。高台からは周辺の山々に抱かれるような集落の全景が一望できます。

※バス停もトイレも合掌造り

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お食事は、駐車場売店と集落中ほどの「まつや」で食べられます。

その際に豆腐が出ます。固いです。 五箇山豆腐” 「寝るときに枕にした」「つまずいて生爪をはがした」など、五箇山豆腐の硬さを伝える例え話が多くありますが、…まあ、そんなことは無いでしょう…(笑)。実際に縄で吊っても崩れない、これが五箇山豆腐の硬さを示しています。この硬さは、大豆の栄養がぎゅっと詰まった証拠。香料や保存料などを一切混ぜない、遠い記憶に残る昔ながらの素朴な味です。…固い豆腐、是非、味わってください。

入館料:500円(相倉民俗館・相倉伝統産業館セット)
入館料:300円(展示館 勇助)
駐車場:500円

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菅沼合掌造り集落 (すがぬまがっしょうづくりしゅうらく)

富山県の南西端にある南砺市五箇山には、9戸の合掌造り家屋を今に伝える菅沼合掌造り集落があります。その家屋は、いくつもの歳月を重ねて、冬の豪雪に耐えうる強さと、生活の場と養蚕などを生産する仕事場を兼ね備えた合理性を持つ建物です。

まさに日本の原風景。菅沼は、観光地化されていない、ありのままの自然を残しているところが魅力。遙か昔にタイムスリップしたかのような不思議な感覚を味わえます。

また、集落内には江戸時代の主産業を今に伝える「塩硝の館」や「五箇山民俗館」があり、五箇山の歴史と伝統にふれることもできます。

入館料:300円(五箇山民俗館・塩硝の館セット)
駐車場:500円

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国指定重要文化財 岩瀬家 (いわせけ)

約300年前に、八年もの歳月を費やして建てられた岩瀬家は、五箇山白川郷で最大の合掌造り家屋。江戸時代、五箇山で製造された火薬の原料、塩硝(えんしょう)をとりまとめ加賀藩へ納入する上煮役宅で、書院の間や武者隠しの間に加賀藩の役人が滞在した様子を伺えます。囲炉裏の周りでお茶を飲みながら、五箇山や岩瀬家の説明を聞くことができます。

入館料:300円

 

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国指定重要文化財 村上家 (むらかみけ)

今から約350年前の建築当時の様式を伝える古い合掌造り家屋で、塩硝製造や和紙製造等の民俗資料数千点を展示しています。囲炉裏を囲み、お茶を飲みながら五箇山や村上家の説明、こきりこ唄を聞くことができます。また、団体予約で「こきりこ踊り」の鑑賞をすることができます。

入館料:300円

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管理人の独り言

最後に「こきりこささら踊り」について語ります。

「こきりこ」は、越中五箇山・上梨の山里を中心に伝承された、全国的に有名な古代民謡。この唄は『越の下草』や二十四輩順拝絵図(約1400年前)の頃から田楽として歌い継がれてきました。

楽器は、鍬金、筑子竹、ささら、鼓、横笛、太鼓などままのものを今に伝え、豊穣の祈りを祝う純朴な踊りです。

筑子(コキリコ)とは七寸五分に切った小竹の事です。この竹を打ち鳴らし唄います。
田楽の流れを汲む最古の民謡といわれており、平安・鎌倉・室町といった中世のおおらかで雅な様子を残す踊りです。

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上記で案内した村上家では、「こきりこさらさ踊り」を見ることが出来るんです。料金がかかるんですけど。…20名以上は1人500円。少人数でも5名以上で1人500円+2000円となっています。(5名なん集められないよ…笑)

でも…管理人は、「実際に見てみたい」という、強い気持ちに駆られています。

旅行ツアーに組み込んでいる会社もありました… 

…ツアーでもいい…見てみたい!…(笑)

 

 

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