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旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。…当ブログ記事は転載OK…リンクを貼っていただけるなら遠慮なくお好きにお使いください。

岩手 陸中大橋駅 オメガループ線

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「線路は真っ直ぐ」これ常識

「線路は真っ直ぐですよ」
「何を今さら」
…って皆さんの心の声が聞こえてきました。

でもですね…さもあらず。岩手のJR釜石線上有住駅~陸中大橋駅の間の線路が、凄い事になっているんです。

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”何だこりゃ” …って思うでしょ。

ヘアピンカーブです。180度Uターン…これ ”オメガループ線 と呼ばれています。
何でこんな事になっちゃったかっていいますと…。

列車は、一度にたくさんの乗客を乗せられて、揺れが少なく、長距離運行もお手のもの。とても優れた移動手段である鉄道にも、実は弱点があるんです。それは、急な坂の上り下りが苦手だということ。

そこで編み出されたのが「ループ線」。線路をループ状に一周させて、少しずつ上っていくことで勾配を緩く抑えることができるんです

上記Googleマップで説明すると左の西側が高く、東の右側は低いんです。
上有住駅~陸中大橋駅の間、直線で結ぶと4キロほどの距離なのですが、途中に仙人峠があるんです。

仙人峠の標高が560m、陸中大橋駅の標高は254mで、306mもの標高差がある。一気に下るには(若しくは「上るには」)こうする他なかった、という事です。

ループ線区間開通は昭和25年
歴史に物語あり

元は…
「西側は、岩手軽便鉄道が今は無き ”仙人峠駅” まで」
「東側は、釜石鉱山鉄道が大橋駅(現・陸中大橋)まで」
…通じていました。

オメガループ線区間が開通したのは、昭和25年(1950年)のことです。
以前はどうしていたかといいますと…
「索道(さくどう)と言われるロープウェイのようなもので物資を運んでいましたが、人は5.5kmにおよぶ “徒歩連絡” を歩いて上り下りしていました。

“駕籠” の便もあったんですが料金が高い。(花巻~仙人峠の鉄道運賃よりも高い運賃)
 おまけに駕篭かきが、追加の金を旅客から巻き上げるなど素行が悪く、地元の新聞で不評を書き立てられるほどでした。それでも需要が多かったのか、戦後までこの駕籠の運行は続けられたそうです。

それでは…
オメガループ線を解説します

上有住駅を通過した列車は、長いトンネルに入ります。長大な土倉トンネルをはじめとする7つのトンネルを抜けると、間もなく下方に開けた場所が見えてきます。

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赤い鉄橋を渡りますと下に線路があるのが見えます。これから行く、陸中大橋駅が見えます。

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Uターンして戻ってくると陸中大橋駅に入るって事なんです。
絵が下手なんですけど…こんなイメージです。 

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陸中大橋駅です。

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コンクリートの構造物が2つありますが、これは鉄鉱石を貨車に積み込むための「ホッパー」と呼ばれるものです。

そして陸中大橋駅を出ますとすぐに右手上方に、通ってきた赤い鉄橋が見えてきます。

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陸中大橋

陸中大橋駅は昭和19年に開業した駅で、当時は日鉄鉱業釜石鉱業所で産出される鉄鉱石を輸送するための貨物駅でした。

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当時の賑わいは、大変なものだったらしいですよ。旅客営業は翌年の昭和20年から始まりました。

平成8年までは、開設当時から使われていた木造駅舎があったそうですけど、現在は、写真の通り、キレイさっぱり撤去されてしまったみたい。

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往時をしのばせるものは、鉄鉱石を貨車に積み込む際の、コンクリート製の構造物、ホッパーが残るのみでした。

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上有住

陸中大橋駅からオメガループ線を挟んで隣り駅が 上有住駅” 、付近はまったくの山の中で人家は無い。

でも…でもですよ…徒歩3分のところに鍾乳洞があるんです。
“滝観洞(ろうかんどう)” の話をいたします。

頭に滝が付く通り、入り口から880mのところに高さ60m、周囲50mものドームが形成され、天井の大理石の裂け目から落差29mの滝が流れ落ちている。

“天の岩戸の滝” という名があり、洞内滝としては日本一とのこと。さらに渓流の反対側には、 “白蓮洞(びゃくれんどう)” がある。洞内に “大広間” と呼ぶ空間があり、さまざまな石柱や石筍などが数多く展開され、自然の造形美が堪能できる。

それとスペシャルな話があるんです。
滝観洞は映画 八つ墓村 のロケ地にもなったんです。

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という事で一帯は洞窟の名勝地のため、駅の利用者は洞窟見学の観光客に限られ、一般的な利用者はいない。

ですが…近くに2007年滝観洞ICが出来ちゃったんです。
つまり、上有住駅の将来は、非常に厳しいんです。

すでに厳しい現実が現れていて観光客の足が、仙人峠道路を通って滝観洞ICに乗降する観光バスに変わり、存在意義が無くなりつつある。

事実、駅前の展望台にある案内板の状態を見る限り、すでに観光客が遠ざかっていると言わざる得ない。

高規格道路の開通によって、観光客は気軽に行けるし、洞窟の関係者にとっても抜群の集客効果で観光収入も増えるし、地域にとっては喜ばしい状況になったであろう。

だが、その陰で存在意義を失った駅がある。これこそが秘境駅の真骨頂とはいえ不用意に喜べるものではない。

鉄道マニアは、ともすれば懐古趣味の塊だ。
地域の発展を願うよりも、無くしてしまうことに、長きに渡った鉄道の歴史に畏怖さえ感じる生き物なのだ。

鉄道が地域の発展に寄与した時代なんてとっくの昔に終わってはいることなど重々承知しているが、これを素直に認めることが出来ないのである。

最後に一言言っておきたい…
管理人は、鉄道ファンであって鉄道マニアではない。(その違いは、いったい何なんだ!…笑)

管理人の独り言

全国には ループ線 といわれる鉄道が各地に存在します。
高低差の大きな線区で勾配を緩くするため、線路をループ状に一周させて勾配を克服する方法が「ループ線」です。

列車は自動車と違って急坂を登れません、下れません。
鉄のレールと車輪で走行する鉄道は粘着力が低いため勾配に弱く、急峻な勾配克服にはスイッチバックループ線が用いられました。

全国各地で見られたループ線でしたが、長大トンネルが掘削できるようになったため、曲線が多く距離が長くなるループ線を使用しなくても緩勾配ルートが選定できるようになり、ループ線は減少する傾向にあります。

しかし、「ループ線」、「スイッチバック」という言葉は、懐古趣味の鉄道マニアには、居ても立っても居られない、行ってみたい、見てみたい。…たまらない響きを与えてくれる魔法のような言葉なんです。

 

JR北陸本線
福井県新疋田駅 - 敦賀駅間 鳩原ループ線

北陸本線の下り列車に乗り、新疋田(しんひきだ)を過ぎると疋田トンネルを抜け、その先からしばらく25‰の急勾配が続きます。笙(しょう)の川の谷を鳩原(はつはら)に向けて下りる山間の難路です。線路はやがて10%ほどの勾配になりますが、険しいままに敦賀へと至ります。

このルートは昭和32年の複線化の際に、増設する線路の緩勾配化が検討され、結果的に鳩原付近にループ線を設けて勾配を緩和することにしました。距離は若干長くなりますが、それがもっともふさわしい緩勾配の解決策だったのです。長いトンネルを掘削することだけが緩勾配ではないという、鉄道の原点に帰った解答です。

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JR肥薩線
熊本県大畑駅、日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ駅

肥薩線は人吉を過ぎると25‰の急勾配が連続する峠越えが始まります。名にし負う矢岳(やたけ)越え」です。

肥薩線は、かつて鹿児島本線として内陸を通り、山岳地帯を越え、鹿児島に向けて建設が行なわれました。「矢岳越え」は人吉〜吉松間の矢岳駅をサミットとした峠で、大畑、真幸(まさき)の2つのスイッチバックのほか、勾配緩和のため、大畑にはループ線が必須となりました。

急勾配の途中にある大畑駅では通過線を持たない「折り返し型スイッチバック」で勾配を克服していますが、大畑駅はさらにループ線の途中にあります。

大畑から矢岳にかけては25‰、半径300mの曲線で勾配を上り続け、人吉からの線路と横平トンネル上で交差してループを描きます。その後、勾配は30.3‰に変わり、隘路(あいろ)がひたすら連続します。

 蒸気機関車が最後まで格闘した難所でしたが、開通年は明治42年(1909)。当時の鉄道技術を考えても、このスイッチバックを含めたループ線の線路選定は、当然すぎる最良の建設方法だったと言えるでしょう。

ループ線を車内から一望することはできませんが、「いさぶろう・しんぺい」号に乗車すると、同区間はエンジンも最高出力。いかにも重く力強い走行が続き、往年の苦労が偲ばれます。

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中村線
高知県:若井駅より荷稲駅方向に約3.6kmに位置する2線の信号場。荷稲駅方より予土線中村線に合流する。中村線ループ線途中から予土線が分岐するようになっており、信号場自体も曲線上に設置されている。

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JR上越線
群馬~新潟:湯檜曽駅・旧湯檜曽駅土合駅土樽駅・越後中里の間に2つのループ線が存在します。上越国境の谷川連峰を越えるため、群馬側、新潟側の2ヵ所にループ線と1ヵ所のオームループ線が設けられています。

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