
日本初の写実絵画専門美術館
「ホキ美術館」
今回は、千葉市緑区にある写実絵画を専門に展示している ”ホキ美術館” を紹介いたします。
管理人は、日本全国、様々なタイプの絵画、美術品、書画、骨とう品に至るまで見て来ましたけどここは凄いよ!!
ホキ美術館は凄い!
絵がわかりやすく訴えかけてくる!!
千葉市最大の公園「昭和の森」に隣接する、緑豊かなこの美術館には、海外や全国各地から美術専門家も多く訪れるとききます。
巨匠から若手まで、約60作家480点の写実絵画を所蔵、展示しており…
美術館に入って作品群を見て…
「凄い!」
「なんて緻密なんだ」
「作品が訴えかけてくる」
…って、皆さん一応に驚きます。

写実絵画とは、写真と見まがう程、正確に対象物を描き表わす画法です。
”じゃ写真と同じじゃない” …と安易な事を言わないで頂きたい。作家が何に注目し、訴えたいのか。写真とは全く違う、作家の気迫、思惑が伝わってくるような作品群です。

画家が見たままに、そしてその存在を描いた作品。1年に数点しか描くことができないほど、画家が時間をかけて1枚の絵と向き合い、こつこつと緻密につくりあげた作品です。
その世界を目の当たりにすれば、…実際に美術館に足を運べば、絵は、現実以上に多くのことを語っているのを感じていただけるでしょう。

上記「大畑稔浩 《瀬戸内海の風景–川尻港》 2003年」などは、桟橋の老朽化感はもちろんの事、海面の波紋、船を映しこんだ影、微妙な青空の色彩を水もに描きこんでいる秀作です。

上記の「中西優多朗《次の音》2019年」ですが、1m超の大型キャンパスに描かれておりまして、大きいとごまかしがきかない。若い子がモデルですので髪の毛に艶があり、光っている髪の描写なんて、思わずうなってしまうような出来でした。

特に管理人を驚かせたのは、上記「五味文彦 《樹影が刻まれる時》2015年」です。画面中央に暗い木が描かれています。これは周囲に漂った霧に映し出された左の木の影なんです。恐ろしいばかりの技法に時がたつのを、いっとき忘れさせられました。


ホキ美術館所蔵 森本草介作
「《光の方へ》2004年」
「《休日》2009年」
繊細で精緻、丁寧な描写なら上記、森本草介(「《光の方へ》2004年」「《休日》2009年」など多数展示)です。
美術館に入ってすぐの数十メートルは森本作品が展示されています。とにかく初っ端から、 ”来館者を驚かせる”…”度肝を抜いてやる” …という美術館の思惑を感じられるような森本作品です。
とにかくこの森本作品の緻密さ繊細さには驚かされます。
美術館に入ってすぐの数十メートルで「写実絵画とはいかなるものか」を理解することが出来ます。
森本作品の先にも素晴らしい作品が並んでいますが、初っ端から写実絵画の決定版的な森本作品を見せられると、中には、 ”雑な造りだな” などと思ってしまう作品も目に付いてしまう程です。
ホキ美術館そのものがアート
ホキ美術館は、入場する前、駐車場にクルマを停め、降りたところから驚かされます。圧倒的な美術館の外観の奇抜さに目を奪われます。しかし ”奇抜” という表現を使いましたが、見るものにシンプルかつ上品な印象を残す外観です。
正面からのモダンで落ち着いた雰囲気は、閑静な住宅街にほどよく調和しています。しかし、後ろ側へまわると、建造物の一部がまるで宙に浮いているよう。
ホキ美術館は、2011年日本建築大賞をはじめ、千葉県建築文化賞、千葉市都市文化賞などを受賞しています。


まるで森の中に浮かぶアート「昭和の森」側からの眺め。ひときわ目をひく外観に、興味をそそられる人も多いはず


美術館内部に関しても、1対1で写実絵画と向き合える場所を作り、所蔵作品である写実絵画を最適な環境で鑑賞できる空間を作っています。
細密画の繊細さを壊さないように、空間は可能な限りシンプルなものを目指しました。具体的にはプレーンな壁と絵画しか存在しないギャラリーです。
大きさの異なる1枚1枚の絵画へ最適な距離を確保すること、壁面の目地、ピクチャーレールやワイヤーを排除し、鑑賞時の視界には目の前の絵画以外、鑑賞の妨げとなるものが入らないように徹底しています。


美術史
美術史を大づかみで解説しますと…
原始美術と言われるラスコー洞窟(フランス)などで見られる動物や狩猟画が人類の美術のスタートでしょう。


その後、古代美術のメソポタミア、エジプト、ギリシア、ローマ美術と続いてキリスト教美術に発展します。


中世に入り、ゴシック、ルネッサンス、バロック、ロココ、ロマンと続き、ついにはミレーに代表される写実主義にたどり着きます。

この後、美術界は大きな変遷の渦に巻き込まれます。
写真術が与えた19世紀西洋美術への衝撃
現実の立体的な世界を平坦なキャンバスへ再現することに腐心した19世紀の西洋絵画に、写真技術の発明が大きな転機をもたらしました。
現実の光景を正確にフィルム上に再現できる写真は、肖像画家の職を奪います。実際、写真家に転職していった画家も多数いました。
そして、その後に登場するのが、19世紀末から20世紀初頭にかけて登場する印象派です。風景や人物をなぞるように描くのではなく、感じるままに描く印象派。
さまざまな角度から見た物の形を平面に収めようと、意識下にある夢や幻想の中に現れる「超現実」に目を向けた絵画です。

印象派の代表とされる画家は、モネ、ルノワール、ドガ、ピサロ、ゴーギャン、ゴッホなどでしょう。
そしてついに巨人、ピカソを誕生させるのです。
キュビスムの創始者として知られるピカソは、生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作し、最も多作な作品を生み出します。

これら美術界の潮流に共通していたのは、「写真にはできないことを絵でやろう」というチャレンジ精神でした。
何よりも表現者の中に「現実とは何か?」という永遠の問いが存在するかぎり、押し寄せる技術の波に飲み込まれることなく、美術の世界は社会に脈々と息づいていき現代に至っています。


ホキ美術館 利用案内
入館料:1830円
駐車場:有り(無料 入館時、受付にてタイムカードの料金を解除する仕組み)
所在地:千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
管理人の独り言
いや…ホキ美術館…ホント良かった…是非行っていただきたい。
管理人が自信を持ってお奨めいたします。
最後にホキ美術館の館長について触れておきます。
ホキ美術館は、1階、地下1階、地下2階の3層構造の建物です。
実は、ホキ美術館、昨年(2019年)10月の台風で地下1階浸水、地下2階水没と大きな被害を受けまして休館しておりましたが、2020/8/1リニューアルオープンを果たしました。(一部修復中の作品もあり)
この度、確認してまいりまして、完全復活を果たしておりました。
ホキ美術館館長
保木博子
父が創立した千葉の写実絵画専門美術館ホキ美術館の3周年を前に、館長を引き継ぎました。私は子供のころから絵を見るのが好きでしたが、海外で絵画を買っていた父が、森本草介氏の1枚の絵との出会いをきっかけに写実絵画のみを集めるようになりました。
やがて隣家を展示場兼収蔵庫にし、年に2回近所の方にお披露目していたのが話題になり1日に1000人もの方がいらっしゃるようになりました。それで美術館設立が決まったのです。
それからは、父と国内外のさまざまな美術館を運営の観点で見て歩きました。そうして2010年11月に開館したホキ美術館です。1日のんびりと絵に向き合っていただければと思っております。

ホキ美術館館長 保木博子
ホキ美術館代表取締役 保木将夫
昭和6年東京生まれ。昭和30年文具小売業の保木明正堂を創業、昭和36年心電図用記録紙を手掛ける保木記録紙販売株式会社を設立、社長に就任。昭和45年株式会社ホギと改称、昭和62年株式会社ホギメディカルと再改称。平成3年東証第二部上場。平成5年会長、平成7年社長兼CEO(最高経営責任者)に復帰。平成12年東証第一部に上場。平成17年会長。平成19年よりファウンダー。平成24年退任。名誉会長。ホギメディカルは医療用不織布製品、滅菌用包装袋(メッキンバッグ)及び各種医療用キット製品のトップメーカー。

参考サイト:「ホキ美術館 HOKI MUSEUM」
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