旅cafe

旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。

サントリー山崎蒸留所

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日本ウイスキーの故郷 山崎
suntory サントリー山崎蒸留所

世界に冠たるジャパニーズウイスキーの歴史は、ここから始まった。

いまや世界の5大ウイスキーに名を連ね、世界的な酒類コンペティションの常連にもなったジャパニーズウイスキー。その歴史的な第一歩は、今から90余年前、ここ山崎にて始まった。

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サントリー創業者・鳥井信治郎

サントリー創業者・鳥井信治郎は、日本全国を踏破してウイスキーづくりの理想の地を探し求めました。そして、良い原酒は良い水が生み、良い熟成は良い自然環境なしにはあり得ないという確信と、あくまで日本らしいウイスキーをつくるために、日本的な風土の中でつくりたいという信念から、選んだのが山崎の地だったのです。

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サントリーウィスキー 山崎12年

山崎は、万葉の歌にも詠まれた名水の里、名水100選のひとつ「離宮の水」は、今もこんこんと湧きつづけています。茶人・千利休もこの地の水を愛し、秀吉のために茶室「待庵」を構えたほど。

そして、鳥井信治郎もこの地の名水に取り憑かれた一人でした。
水はウイスキーの命。軟水の中でも硬度が高めの山崎の水は、複雑な香味や重厚なモルト原酒をつくるにはうってつけ。山崎蒸溜所の職人たちは毎朝、水のデータを集めているのですが、その品質は創業時と変わらないといいます。

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山崎の地に湧く名水

さらに、山崎をその舞台に選んだもうひとつの理由が、気候にありました。
京都の南西、天王山の麓の竹林が生い茂る山崎は、四季折々の変化が感じられる自然豊かな地。桂川宇治川、木津川が合流する地点にあり、辺り一帯を山に囲まれています。

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樽熟成に適した霧が立ちやすい湿潤な気候

濃い霧がたちこめやすく、温暖かつ湿潤な気候は、ウイスキーの熟成にとってまさに好条件。木樽の中で眠るウイスキーが、ゆっくりと熟成していく助けになるのです。

ジャパニーズウイスキーのふるさと、山崎。この恵まれた土地と水から、「山崎」のあの豊かな香味が生まれているのです。

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樽詰めされ貯蔵庫で静かな眠りにつく原酒

シングルモルトウイスキー山崎がいま、世界のウイスキー通たちを惹きつけています。
きっかけは、2003年。山崎蒸溜所開設から80年目の年に、世界的に権威のある酒類コンペティション ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)にて、山崎12年が「noble(高貴な)」という賛辞とともに日本初の金賞を受賞。

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2003年、ISCにて山崎12年が金賞受賞(日本初)

 さらに2010年には同じくISCで、山崎1984が全部門1,000品の頂点となるSupreme Champion Spirit(最高賞)を受賞。

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2010年、ISCにて山崎1984が Supreme Champion Spirit(最高賞)を受賞

本物を追求した日本のブレンダーたち

日本ウィスキー誕生物語といったら…

2014年放送のNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」を思い出す方も多いでしょう。玉山鉄二が演じた主人公 ”マッサン” は、ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝です。

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あの時、玉山鉄二演じるマッサンが手掛けた最初のウィスキー工場が、サントリー山崎蒸留所なんです。

堤真一演じる、かなりくせ者の社長、鴨居欣次郎がサントリー創業者の鳥井信治郎だったんです。

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ドラマの中では…
ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝を演じるマッサンがストイックなまでに本物、味を妥協することなく追求し。

逆にサントリー創業者、鳥井信治郎を演じる堤真一は、味は二の次、利益優先主義を標榜する拝金主義者に描かれています。

実際のところは…
その後に作り出すサントリーのウィスキーの素晴らしさは品質に置いても妥協しないサントリー創業者、鳥井信治郎の意志があってこそ現在のサントリーの成功につながっています。

二人の関係においても…
サントリー創業者 鳥居
ニッカウヰスキー創業者 竹鶴
…は、固い信頼関係で結ばれていたと考えるのが自然でしょうし、ドラマの中でも対立しながらもお互いを尊重し、尊敬しあうように描かれています。

そこで管理人は大きな疑問に直面しました…
以前、ニッカウィスキー宮城峡蒸留所の記事を書きました。「ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所 NIKKA WHISKY - 旅cafe」その際も疑問に思ったんですが、ニッカウィスキーのホームページには、サントリー について一切触れられていないんです。(※管理人には見つける事は出来ませんでした)

そして今回…
サントリー山崎蒸留所の記事を書くに際して、サントリーのホームページを見たんですが、 ニッカウヰスキー について一切触れられていなかったんです。(※管理人には見つける事は出来ませんでした)

2社のホームページには、会社の歴史がキッチリ記載されています。なのに鳥居、竹鶴、二人の関係は一切触れられていないんです。

かなり不自然だと思いませんか?

という事は、あれほどの信頼関係で結ばれていた二人は、どこかの時点で決定的な決別をしたのかな?…なんて勘繰ってしまいますね。

…と、長々と関係ない話をしまして ”いい加減にしろよ” って言われそうなんで、そろそろ本題に入ります…(笑)

サントリー山崎蒸留所

蒸留所っていうと ”山の中” っていうイメージですけど…サントリー山崎蒸留所はJR京都線山崎駅」徒歩10分という好立地なんです。

ですから、サントリー山崎蒸留所には、是非とも公共交通機関で向かっていただきたい。工場敷地内の山崎ウィスキー館には、有料ですけど世界のウイスキーを飲み比べできる テイスティングカウンター” があるんです。

普段めったに飲めない蒸溜所限定ウイスキーや原酒なども味わえますので飲める方は、クルマを運転してきては…もったいない!!

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蒸留所ガイドツアー

1923年に建てられたサントリー山崎蒸留所の工場見学には…
蒸留所ガイドツアー
…というものがあります。

まずは受付を済ませましょう。
蒸留所ガイドツアーは、有料で料金は1000円です。

受付では、首かけ式の臨時の入館証が発行されます。

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受付にて臨時の入館証をもらって入場

時間になるときれいなお姉さんが現れて工場内を案内してくれます。まずは麦汁を作る作業をする糖化槽、発酵槽の部屋を見ます。

発酵槽に酵母を入れてアルコールを作ります。

山崎蒸溜所では、木桶とステンレスタンクの2種類の発酵槽を使い分けて発酵を行っています。
特に自然条件を活かした木桶は温度管理が難しく手入れも大変ですが、保湿性にすぐれ、しかも蒸溜所内に棲みつく自然の乳酸菌や微生物の働きで、豊かな味わいの原酒を生み出すことができます。

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糖化槽・発酵槽

出来たアルコールをポットスチルで蒸留します。こちらは蒸留室…。

山崎蒸溜所の蒸溜室には、サイズや形の異なる蒸溜釜が向かい合って並んでいます。
こんなにも様々なタイプの蒸溜釜を有する蒸溜所は世界でも稀。大きさや形状の違う蒸溜釜は、それぞれに生み出す原酒の特長が異なり、軽快な味わいのものから重厚な味わいのものまで、多種多様な原酒を生み出しています。
蒸溜室では蒸溜釜の形にご注目ください。

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そして出来上がったウィスキーは樽詰めされて貯蔵庫で長い眠りにつくんです。

何千、何万という樽が静かに熟成の時を重ねる、山崎蒸溜所の貯蔵庫。一歩足を踏みいれたとたん、濃厚なウイスキーの香りに包まれます。

山崎蒸溜所の特長のひとつは、樽材・容量・形状などが異なるさまざまな樽に貯蔵することにより、原酒のつくり分けを行っている点です。

樽が置かれる場所によっても、原酒の仕上がりに違いが出ます。ぜひ、樽の大きさや形状、置かれ方などにも注目いただきながらご見学ください。

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工場見学の最後は…

お楽しみの試飲、テイスティングタイムです。

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一人づつテイスティングセットが会場には用意されています。

案内してくれたお姉さんの説明で、ホワイトオーク樽原酒、ワイン樽原酒、 山崎、 山崎  3種類のウイスキーテイスティング。…おつまみ付き!…たまりません!!

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3種類のテイスティングが終わるタイミングで…
氷とソーダーが提供されます。

ハイボールを作るんです…楽しい!!…(笑)

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どうですか…クルマを運転してきてはダメだ!…と言ったことがわかったでしょ。
大満足の工場見学です。

という事でサントリー山崎蒸留所の工場見学は大人気!!
予約は、2か月先まで埋まっています。

”「2か月先まで予約が埋まってる」…「なんだよそれ…ふざけんな!」” …という皆さんの心の声が聞こえてきました。…(笑)

確かに遠隔地の方は調整が難しいでしょう。
そこで提案です。

実はですね、サントリー山崎蒸留所の敷地内にある ”山崎ウィスキー館” が楽しいんです。… 「山崎ウィスキー館に行けば工場見学の必要はない!」…と管理人は言い切ります!!

山崎ウィスキー館

料金はかかりません。
無料です。
予約は必要ですが三日前ぐらいでも、まず大丈夫。

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サントリー山崎蒸留所 山崎ウィスキー館

鳥井信治郎ウイスキーブレンドの技を磨く際に愛用した机、日本初の本格国産ウイスキー「白札」発売初期のボトル、 当時の映像など、日本のウイスキーの歩みを語りかける展示物が盛りだくさん。

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日本最古のモルトウイスキー蒸溜所「山崎蒸溜所」におけるウイスキーづくりのこだわりや、 シングルモルトウイスキー「山崎」の誕生秘話など、革新し続けるサントリーウイスキーの挑戦をご紹介します。

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そして多彩な原酒やウイスキー数千本がズラリと並ぶ壁面は圧巻! 
これらのウィスキーをブレンドしてサントリーの味が作られると思うと、胸に熱いものがこみ上げてきます。

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その空間を抜けた吹き抜け部分には、長年蒸溜所で活躍したポットスチルや発酵槽などの実物が展示されており、ウイスキーづくりの息吹が感じられます。

長い年月をかけてつくられるウイスキーの製造工程の概要を回廊に沿ってつくられた 各種展示とミニチュア模型をとおして理解いただけます。

ミニチュア模型によって工場見学の内容を確認することが出来ます。

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山崎ウィスキー館 ミニチュア模型

そしてお楽しみの…テイスティングカウンター

有料ですが、山崎ブランドをはじめ世界のウイスキーや限定品、蒸溜所ならではの構成原酒など、約30種類のウイスキーを取り揃えています。

様々なウイスキーを飲み比べることで、個性の違いを感じると同時に、ぜひウイスキーの新たな魅力を発見ください。

※全てストレート(15ml)でのご提供です。

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高級酒でとても手が出ないようなウィスキーもここなら飲めます。

1本はとても買えない
でもここなら飲める
憧れの酒が飲めるんです!!

テイスティングカウンター価格表
山崎25年 2900円
山崎18年 600円
山崎12年 200円

白州25年 2900円
白州18年 600円
白州12年 200円

響 30年 2900円
響 21年 600円
響 12年 200円

ローヤル 100円
リザーブ 100円
オールド 100円
角瓶 100円
トリス 100円
知多 100円

山崎・白州・響の工場限定版 100円~500円

どうですか…夢のようでしょ!!

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サントリー 山崎25年

管理人の独り言

山崎と言ったら…天王山…明智光秀羽柴秀吉が戦った山崎の戦いです。

”お前は歴史の話をしなきゃ終われねえのか!”…という皆さんの心の声が聞こえてきましたが…「そうです。終われません」…(笑)

山崎の戦い事体、大変有名な合戦ですから説明する事も無いでしょう。秀吉が天下人になるキッカケをつかんだ合戦です。

その重要な合戦がサントリー山崎蒸留所が工場を構えている地であったんです。

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サントリー山崎蒸留所と山崎の合戦、両軍配置図

青丸サントリー山崎蒸留所の位置です。

ここで光秀と秀吉が戦ったんです…歴史好きの管理人としては、それを思うだけで感無量!!