天孫降臨の地 高千穂峰
霧島神宮本殿は、後方に高千穂峰を背負うように建てられていまして、北東方向に位置する天孫降臨の地、高千穂峰山頂には、 ”天之逆鉾” が差し込まれています。
天孫降臨とは…
天=天照大神(アマテラスオオミカミ)
孫=天照大神の孫
…が地上に降りたった…という意味です。
天照の孫とは、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)で天照の命を受けて、地上を治めるために高天原から八柱の神を伴に従え、地上に降りられました。
霧島神宮 ご祭神
相殿神
木花開耶姫尊 コノハナサクヤビメ(お后)
彦火火出見尊 ヒコホホデノミコト(御子神)
豊玉姫尊 トヨタマヒメノミコト(御子神のお后)
鸕鶿草葺不合尊 ウガヤフキアエズノミコト(御孫神)
玉依姫尊 タマヨリヒメノミコト(御孫神のお后)
神日本磐余彦尊 カムヤマトイワレビノミコト(御曽孫神)※後の神武天皇
神が地上に降りた天孫降臨から、初代天皇の桓武天皇誕生までの系図神を御祭神としてお祀りしています。
霧島神社 境内案内
霧島神宮は、創建が6世紀と古い歴史を誇る神社です。
最初は高千穂峰と火常峰(御鉢)の間にある背門丘に建てられたといわれていますが、霧島山の噴火による消失と再建を繰り返し、500年前に現在の場所に移されました。
年間100以上の祭儀が行われ、中でも元旦と2月11日に本殿で奉納される九面太鼓は、勇壮な郷土芸能として県内外から注目を集めています。
この近辺には、霧島の七不思議や古宮址などもあります。桜の時期には薄桃の花が、紅葉の時期には紅葉の赤と鳥居の朱がよく映えます。
「青丸:旧参道(風穴・亀石)」「緑丸:山神社」「赤丸:両渡川」「ピンク丸:御手洗川」
霧島七不思議 御手洗川
霧島神宮の西方250メートルほどの下の岩穴から湧き出る小川です。11月から4月ごろまでは、ほとんどかれていますが、5月ごろから非常な勢いで大量の水が湧き出ます。この時は魚もいっしょにわいてくるといわれます。水の質は清明で、天孫降臨の際、高天原から持ってきた真名井の水が混じっていると伝えられています。
霧島七不思議 両度川
霧島神宮の西方300メートルの所にあります。両度川は、毎年6月ごろから水が流れ出して8・9月ごろにはかれてしまいます。この間、はじめ10日も水が流れたかと思うと全く乾いてしまうのです。そして、数日たつとまた流れ出すというのです。川は短くて小さいものですが、水は極めて清く量も多いです。
下流は滝になって霧島川に落ち込みます。両度川は、毎年同じ時期に決まって二度流れるというので、両度川という名がつけられたということです。
霧島七不思議 旧参道(亀石坂) 亀石
神宮の旧参道の中ほどに、カメにそっくりの自然石があり、これを亀石といいます。またこの坂を亀石坂と呼んでいます。


霧島七不思議 旧参道(亀石坂) 風穴
旧参道にあります。以前、岩穴からいつも風が吹きでているのが不思議がられていました。極微弱な気流です。岩の上に石造の観音が安置されていたといわれています。現在は風は出ていませんが、霧島山中ではこれに似た現象はあちこちにみられます。
霧島神宮本殿の左手を裏側に回ると杉木立の中に鎮座しているのが山神社。簡素な木の鳥居をくぐると小さな祠があります。
祭神は、大山津見神(オオヤマツミノカミ)。天孫降臨されたニニギノミコトの妻となったコノハナサクヤヒメの父です。
霧島神宮に祀られる婿と娘をそっと見守っている、という感じでしょうか。


霧島神宮 さざれ石
「君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いわおとなりて
こけのむすまで」
日本の国歌「君が代」素晴らしいですね。
オリンピックの表彰式で ”やたら長い” ってイラつく国歌ありますよね。(どことは言いませんけど…)
実は日本の「君が代」は文字数では一番短い国歌です。演奏時間はおおよそ1分程度であり、これより演奏時間の短い国歌もあるのですが、歌詞がたったの32文字しかありません。この短さ…シンプルイズベスト!…素晴らしい。
君が代の意味は…
「きみ」=完璧に成長した男女が
「代」=時代を越えて
「千代に八千代に」=永遠に千年も万年も、生まれ変わってもなお
「さざれ石の巌となりて」=結束し協力しあい、団結して
「苔のむすまで」=固い絆と信頼で結びついて行こう
…という事です。
君が代、実はラブソングなんです。
もう少し、詳しく解説しますと…
イザナキノミコト(男神)イザナミノミコト(女神)
このイザナキの【キ】とイザナミの【ミ】を足して【君】となります。
つまり【君】とは【男と女】という意味が隠されていたのです。
また、イザナとは【誘う】
誘い合う男と女
そう、誘い合う男と女と言う歌なのです。
【イザナキ】
成り成りて成り余るところあり
【イザナミ】
成り成りて成り足らざるところあり
二人は完全ではありませんでした。
そこで2人は重なり合い
子を授かることで完全な大人になったのです。
その時生まれたのが私たち【日本人】なのです。
つまり、私たちは【神の子】なのです。
【千代に八千代に】
その代が生まれ変わってもなお、二人は結ばれ、永遠に続くようにと
【さざれ石の】
ひとつひとつは小さくて力はないけれど
【巌となりて】
二人が結ばれることで生まれた子供やそれぞれの両親、親戚全てのものが力を合わせて団結しひとつになる。
【苔のむすまで】
むすとは天地に最初に現れた3柱の神のうちの2柱、タカミムスヒ、カミムスヒのムスを指します。
タカミムスヒとカミムスヒには性別はなくムスと言う字にコがつくと『ムスコ』になりメが付くと『ムスメ』となります。
また、『苔のむす』のむすを漢字で書くと『生す』と書き、生すとは【子供を養い育てる】と言う意味があります。
古事記から引用されていたんです。
イザナキ、イザナミが出てくるんです。
感動したでしょ!…(笑)
他の神社もそうですし、霧島神宮もそうですけど…「さざれ石」と看板に書かれていますけど…「巌」です。さざれ石が固まって岩になった物「巌」が置かれているんです。
霧島神宮 本殿
霧島神宮は、日光東照宮に対して「西の日光」とも言われています。この社殿は見るべき価値のある造り、素晴らしいです。
神宮本殿への表参道は、鮮やかな朱塗りの神橋から80段ほどの急勾配の石段を上り詰めたあと、すがすがしい参道が二の鳥居・三の鳥居と結んでゆきます。途中、西に張り出した展望所からの眺めがすばらしく、晴天日には鹿児島湾・桜島・鹿児島市街地・開聞岳方面までが眺望できます。


霧島神宮 利用案内
拝観料:無料
駐車場:有り(無料)
所在地:鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
管理人の独り言
天孫降臨の場所って論争になっていまして…
・高千穂峰
・高千穂町
…2つの説が対立しています。
管理人としては、どちらでもいい…決着をつける必要はないと考えます。
理由はと言いますと…
「決着がついていなければ、二ヵ所楽しめる」
…わざわざ一か所に絞る必要はありませんよ…(笑)
最後に…
高千穂峰の頂上に突き立っている坂鉾は、天沼矛(あめのぬぼこ)
…です。
元来、記紀神話では、漂っていた大地を完成させる使命を持った伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)の夫婦神が天沼矛を渾沌とした大地に突き立てかき回し、矛を引き抜くと、切っ先から滴った雫(あるいは塩)がオノゴロ島となったとされています。
オノゴロ島は、現在の大阪湾あたりだそうです。
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