旅cafe

旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。

天然記念物に触れよう…富岳風穴 鳴沢氷穴

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国指定天然記念物 青木ヶ原樹海に位置する
富岳風穴(Lava Cave)、鳴沢氷穴 (Icicle Lava Cave)

富士山周辺には大小さまざまな洞窟があります。青木ヶ原にある富岳風穴鳴沢氷穴は、その代表的なもので真夏でも氷柱が見られることから大人気!

今から1150年前の貞観6(864)年、富士山の側火山、長尾山の爆発の際、古い寄生火山の間を灼熱に焼けた溶岩流が流れ下ってきたのが、この二つのトンネル式洞窟です。

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それではそれぞれの解説に入ります。

 

富岳風穴

中に入ると夏でもひんやりと涼しく、平均気温は3度…寒いんです。
昭和初期までは、蚕の卵の貯蔵に使われていたという天然の冷蔵庫です。…国の天然記念物にも指定されています。
総延長201m、高さは8.7mにおよぶ横穴…全体的に天井は高い。…でも頭をぶつけそうなぐらい天井が低い場所もありますので注意が必要。

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内部は不思議と音が反響しません。これは壁の玄武岩質が音を吸収する性質をもっているためです。

管理人は、前回訪問した時、試しに実験してみました。…通常洞窟内は声が反響するのが普通です…でも富岳風穴内で声は本当に響きません。…壁に吸い込まれるようです…凄く不思議な感じがしました。…でもパンフレットには場所によってと書かれています…ですが…試す価値はあると思いますよ。所要時間15分の見学コースです。夏でも溶けない氷柱(氷の柱)が見られます。

富岳風穴のパンフレットが入場ゲート手前のショップ(お土産屋さん)に置いてありますので必ずもらって帰る事。

 

鳴沢氷穴

こおりのあな、氷穴というようにトンネル内の気温は3度…ままさに天然の冷蔵庫…氷穴内には氷の貯蔵庫があります。この貯蔵庫の氷は、江戸時代には将軍に献上するため、それ以降は冷蔵庫の氷など様々な用途で使われていたそうです。現在は用途が無いため、毎年冬に四角い氷を作って再現しています。 

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総延長153m、幅1.5m~11m、高さ1m~3.6m…氷穴は竪穴(たてあな)になっていまして…入口から狭くて急な階段です。滑りやすいので必ず手すりにつかまり、足元には十分注意をして見学ください。そして階段、緩い坂、階段を繰り返して21m下ると最下部に到達します。その後、入口に戻ってきます。

氷穴内は、一方通行で戻ることはできません。…それと場所によっては、かがまなければ通れないような天井が低い場所もあります。若い方やお子様は探検感覚を喜ばれています。…でも足腰に不安のある方にはチョットしんどいかもしれません。

とはいっても総延長150mほどで幅も狭い場所だけでなく11mあるような広いところもあります…見学の時間は15分程度で回れます。天井が低いので頭上注意もありますが…とにかく階段では手すりのある所は、必ず手すりにつかまる事、足元滑りやすので注意!…この2点、気をつけてください。

鳴沢氷穴入場の際に係の方からの簡単な注意事項説明があります。若くてハンサムなお兄さんが説明してくれるんですが、これが面白い!大爆笑!…こってこてのお約束ギャグで笑わせてくれます。お楽しみに…(笑)

※それと富岳風穴鳴沢氷穴、ともに入場料350円、安い。…無料駐車場もありますので気軽に立ち寄っていただきたい。

 

富岳風穴鳴沢氷穴の位置関係

 富岳風穴鳴沢氷穴、近いです。徒歩30分…」青木ヶ原樹海の中に位置していますので敷地を離れるとそこは、青木ヶ原樹海です。

自殺の名所?…それは松本清張の小説『波の塔』でカップルが青木ヶ原樹海で自殺する場面あった事で自殺の名所として知られるようになったわけで…死体が転がっている事はありませんし、自殺する人もいません。

この青木ヶ原の散策ツアーが大人気、専門のインストラクターが案内してくれますので安心です。…管理人は富士山に来るたびに「青木ヶ原を散策したい」と思ってたんですが「道に迷ったら怖いな」なんて思っていました。でもウォーキングツアーがある事が分かったんで次、訪問した際は参加するつもりです。

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富士山の噴火の歴史について

実は、富士山は、若い活火山なのだ!…というお話をさせていただきます。富士山の、噴火の歴史について…富士山は、日本最大の活火山です。…最近、10万年で、急速に大きくなりました。その意味では、「若い火山」に、分類されています。

現在見えている山の外観は、約1万年前から、噴火活動を開始した、新富士火山です。
その下に、70万年前から活動していた、小御岳火山(こみたけかざん)と、10万年前に噴火した、古富士火山があります。
ゆえに富士山は、三階建て?とも言われています…現在の、富士山の、美しい円錐形になったのは、一万年前です。

富士山の歴史、70万年と言われても、中々実感がわきません…そこで文献に残る、大きな噴火は近年に2回あります。

一つ目が貞観大噴火(じょうがんだいふんか)…平安時代初期の864年、元号で言えば、貞観(じょうがん)6年からの2年間、大規模な噴火活動がありました。
この噴火は、山頂から、北西に約10km離れた斜面で発生した、大規模な、割れ目噴火です。膨大な量の、溶岩が噴出しました。…噴出量は14億m3…当時、「せの海」(せのうみ)と呼ばれる、広大な湖がありました。あふれ出た溶岩は、この湖を埋め尽くし、一部残ったのが、富士五湖の西湖と精進湖です。それと溶岩の上に1000年の時を経て再生した森林地帯が青木ヶ原樹海です。

近年の大噴火のもう一つは、宝永大噴火(ほうえいだいふんか)です。江戸時代中期の、1707年(宝永4年)に起きた噴火で、最も新しい、富士山の噴火です。中腹からの、爆発的な噴火でした。
現在の富士山、…中腹がボコッと深く、えぐれている場所がありますよね。…そこが噴火口です。

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噴火は、2週間続きました。直後は、江戸でも、2センチほどの、火山灰が積もりました。現在の御殿場市から、小山町(おやまちょう)にかけて、最大3mに達する、噴石、軽石、火山灰が降り注いで、家屋や倉庫は倒壊、または焼失…田畑も火山灰で覆われ、耕作不能、被災地は深刻な飢饉に陥ったと、記録されています。

富士山の火山活動70万年の歴史でいえば、平安時代も江戸時代も、ほんの一瞬ぐらいの話になります。
防災面で考えれば、富士山は、まだまだ、若い活火山だという事を認識しておく必要があるという事です。

 

管理人の独り言

富岳風穴鳴沢氷穴ともに洞窟内の温度は3度…因みに皆さんが家庭でお使いの冷蔵庫の温度は、2度~6度と言われています。…まさに冷蔵庫です。

それとこの二つ、パワースポットとしても注目を集めています。力をもらいに行きましょう!!