旅cafe

旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。

『和菓子』…NHK COOL JAPAN ~発掘!かっこいいニッポンより

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NHK COOL JAPAN ~発掘!かっこいいニッポン 『和菓子』

今、世界では日本の文化がクール…その魅力とは何なのか外国人が日本文化を徹底解剖、新たなクールを発掘します。

和菓子
Japanese Sweets
日本のスーパーには、和菓子がいったい何種類あるのでしょうか?
団子でいえばゴマ、こしあんつぶあん、黄粉、よもぎ、醤油…他にも大福、どら焼き、おはぎ、羊羹、もなか、人形焼き、きんつば、…スーパーで数えた和菓子の数は、51種類…種類が豊富な日本の和菓子は、COOL!

アナト(イスラエル)「お店にはチョコレートやアメ、アラブ社会の甘いものがあるだけ、日本の和菓子の豊富さには驚きます」

(ロシア)「和菓子はクリームを使っていないのでカロリーも低く健康的です」

ジニー(オーストラリア)「チョコをたくさん食べると気持ち悪くなるけど和菓子はそんなことありません」

レンレン(シンガポール)「三色団子が好き…和菓子は食感も見た感じも独特、とても美的」

エディ(イギリス)「京都で生八つ橋を食べて美味しさに驚いたよ」

…和菓子は、予想以上に外国人に人気でした。


アナト・パルナス(イスラエル)36歳、学生/写真家
伝統的な葛粉作りを体験
葛餅、葛きり、葛まんじゅう、和菓子の材料に欠かせない葛粉、…冬場に行われるという葛粉作りの作業を見にアナトは吉野葛の里(奈良・宇陀市)を訪れました。

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訪ねたのは創業1615年の老舗・黒川本家、…13代目の黒川伸一さんです。

13代目 黒川伸一さん
「江戸時代から変わらずに同じ製法で葛作りを続けています」

その作り方を見る為に黒川さんに連れて行かれたのが奈良県北部の山、…そこには山方と呼ばれる葛掘り専門の職人が待っていました。

アナト(イスラエル
「葛掘り専門の職人がいるなんて驚きだわ…」

マメ科の植物である葛、夏には赤紫色の綺麗な花を咲かせる身近な植物です…葛が生えているのは日当たりが良い山の斜面、その為に険しい傾斜を歩かなければならないのです。

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アナト(イスラエル
「こんな道、歩くなんて信じられないわ…葛は見つかりましたか?…葛はどこにあるの!?…(更に歩く事30分)…イスラエルで兵役についていたけれどこんな大変な思いはしたことないわ!」

ようやく葛を見つけ葛掘り開始…掘り続ける事30分…。

アナト(イスラエル
「とても重くて泥だらけだけどこれが探していた葛です」

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長さ1m、重さ15キロの大きな葛の根を掘る事が出来ました…掘った根を山の麓にある工場で加工します…数日間で掘り出した400キロほどの葛の根を機械で潰し繊維状にします。

それを真水に浸して根に含まれている葛粉となるデンプンを抽出します…その水をろ過すると白いデンプンができます…それを桶に入れ数日寝かし、底に沈んだデンプンをまとめたものが下記写真です。

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獲れるデンプンの量は、葛の根の1割~2割ほど…しかしこの時点では砂や土などの不純物が多く混じっていてデンプンの色も茶色です。

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この桶を宇陀市にある店舗に持ち帰ります…ここからが葛粉を白くするための作業です…茶色いでんぷんに真水を入れてかくはんします。…数日すると再びデンプンが沈殿するのでまた真水を入れてかくはん…この作業を10日間で5回~6回、デンプンが白くなるまで繰り返します。

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こうしてようやく真っ白になった葛粉、…これを数カ月乾燥させ出来上がりです。…葛作りを見てきたアナト、完成した葛粉を使った葛湯を飲ませてもらいました。

アナト(イスラエル
「とても美味しい…葛粉が出来るまでを見せていただき味への感謝の気持ちが増しました…手間がかかる大変な作業を職人の情熱によってやり遂げる…だから葛粉は繊細で美味しいのです」

フラビオ(イタリア)「誰が考えついたのででしょうね…根っこから独自のスイーツを作るなんて…信じられないよ」

エディ(イギリス)「葛でフルーツゼリーが作れますよね…普通のゼリーのゼラチンは豚の足から作ります。だからベジタリアンは食べられない…しかし葛なら誰でも食べられます」

スタジオにアナトが見てきた本物の葛粉で出来た葛餅が登場、全員で試食…。

鴻上尚史「私が今まで食べてきた葛粉は、イモ系の葛粉だった1/5の値段の葛粉だという事が判明しました」

スタジオ外国人「素晴らしい味です」…食感も色もさっぱりしているわ」…「とても美味しいです…もっと欲しい…どこで売ってますか」


松本大学 佐藤博康 教授
『本物かどうか、伝統であるかどうか、合わせて食文化については考えなければならなくて…そもそも和菓子というのは、頭に和と付いている意味は、動物性ではなく、植物性の素材を使っているというのが一つの特徴になっています。

まさに葛なんてものは、植物の根っこから作るなんていう職人的な味ですから先ほどいただいて美味しいのは当たり前という事なんですね。』

下記写真は、和菓子職人が制作に3週間を要した工芸菓子「天翔」、砂糖菓子で作られています。…工芸菓子とは江戸時代から伝わる伝統工芸で和菓子の職人が持つ最高の技術で創作する観賞用のものです。

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和菓子職人は、工芸菓子に挑む事で和菓子作りに活かされる技術や感性を磨いてゆくのです。