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古事記 第1回 世界と人間の誕生

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NHK 100分de名著
古事記 第1回 世界と人間の誕生

この国がどのようにして生まれたのか、それを教えてくれる名著があります。今から1300年前に生まれた古事記、日本最古の歴史書です。

神々のドラマが壮大なスケールで描かれ、摩訶不思議な物語が展開します。泣いたり、怒ったり、悲しんだり…そんな人間味溢れる神様たちは、国造りに力を尽くし、やがて日本という国が生まれました。

神々から人へ
神話から歴史へ

100分で名著、古事記から秘められた古代日本の姿を読み解きます。

 


司会 武内陶子
「昨年は、古事記編さん1300年ということでチョットしたブーム、『古事記ガール』…古事記大好きガールがいるそうですっよ。…今回の指南役は立正大学教授、三浦佑之 先生です」

・日本最古の歴史書
・現存する最古の書物
天武天皇の命を受けて稗田阿礼が誦習し太安万侶が編さん
・712年に成立

古代の日本、まだ国の形が定まらない激動の時代、文字は未だ普及しておらず、豪族たちの元には家や土地の歴史を語り伝える『語り部』がいました。

やがてそれは大和朝廷にも引き継がれます。太安万侶古事記の内容を伝えたのが稗田阿礼だとするなら、彼もおそらく代々続く語り部の家に生れた人間、…幼い頃より長老たちから口伝えに聞かされた神話の数々を抜群の記憶力で暗記し、後年、語り伝えたのでしょう。

立正大学教授 三浦佑之 先生
『…それぞれの豪族には、専属の語り部がいる、…神話や歴史は家々で代々語り伝えられたものです。…』


古事記の構成

・上巻:神々の世界
・中巻:初代 神武天皇から15代応神天皇
・下巻:16代仁徳天皇から33代推古天皇
上巻に因幡の白ウサギなどの『出雲神話』が入っています。

立正大学教授 三浦佑之 先生
『…古事記の面白い所は、天皇を良く思っていない内容や批判的なところもある…天皇べったりに語るのではないところが凄く面白いし、魅力の一つです。

どうも古事記というのは密かに伝えられてきたようです。表にはほとんど出て来ていません。…江戸時代になって本居宣長という学者が注釈して読めるようになるまでほとんど誰も読んでいません。ひっそりと伝えられている…そういう書物、ミステリアスです。 …』

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神が ”成り出た”
『なる』とは?

立正大学教授 三浦佑之 先生
『…古事記の神話を考える上で ”成る” という言葉が大事なのです。…世界の創世神話には、…
・つくる
・うむ
・なる
と3つの語り方をしています。

つくるは、旧約聖書創世記で神に似せて人を創った…うむも主体が必要、誰かが「つくる」、「うむ」 のです。

対して「なる」 は自然に草が生えるとか木の実がなるとかして出てくる…最初の神様は天空に三柱の神様が ”なり出る” んです。…自然にです。…誰かが作るんじゃないんです。

そして地面はドロドロだったと語られています。アシカビという神様が ”なり出る” です。…アシカビは葦の芽です。葦は植物の葦です。これが人間の元祖だと考えます。人間は草である。

他国では、「つくる」、「うむ」なのになぜ日本では ”なる” かというと…砂漠で草は生えません…日本は知らないうちに草が生えてきます…湿潤な日本には、草や木の実のように ”なる、はえる” がごく自然の発想だったと考えます。 …』

 

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古事記は主に3つの世界で展開

・高天の原:神々の世界
・葦原の中つ国:神と人間が暮らす
・黄泉の国:地下にある死者の世界
イザナミのように黄泉の国に落ちると二度と戻れないといいます。

立正大学教授 三浦佑之 先生
『…イザナキが黄泉の国から戻ってきて身体を清めたとき、次の主役となる最も素晴らしい神(アマテラス・天照大御神)が目と鼻から生まれるんです。それと万能の神が出てこないのが日本の特徴です。絶対神がいない…。

なぜ神話が語られたかといいますと、自分たちがなぜ生きているのかを、古代の人たちなりに説明する。で…受け入れる、自分はここにあるんだ、そして生きて行く、死んでゆくことを受け入れながら、生きて行くということです。

死を受け入れられるということなんです。…』

 

皇室の祖先神、アマテラス誕生までを簡単に

高天原(たかまのはら)と呼ばれる、天上界に、最初に登場するのは、「三柱の神」(みはしらのかみ)、そこに皇室の、祖先の神である、祖先神(そせんしん)、天照の姿はありません。更に数多くの神が、次々と誕生、17、18番目に、やっと登場するのが…イザナキ、イザナミです。

やがて二神は、愛の結晶として、日本の島々を、生み出します。
二人は、こんな話を、したそうです…
イザナミよ…お前の身体は、いかにしてできているのだ」…するとイザナミ
「私の体は、成り合わない所が一つあります」…それを聞いた、イザナキは
「わが身には、成り余っているとこがある」
「それでは、お前の成り合わない所と、わしの成り余っている所とを、差し塞いで、国を生み出そうと思う」
イザナミも「それはいいわ」……と答えました。

こうして二人はまず、淡路島を生み…四国、九州、ついには本州を生みました。更に二人は、この国々を守るため、様々な神を、生み出します。

海、土、霧、泡、山、風、木の神など、その数合わせて、35柱あまり、世界は神々で、満ちてゆきました。これだけたくさんの神々が、誕生したにも関わらず、アマテラスはまだ、姿を現しません。

そして、イザナミが、最後に産んだのが、火の神、…その際、イザナミは、ひどい火傷を負って、黄泉の国へ行ってしまいます…後を追ったイザナキは、朽ち果てて、蛆(うじ)が沸いた、変わり果てた、イザナミの姿を、目の当たりにして、命からがら逃げかえります。

そして、黄泉の汚れを落とすため、イザナキは、池の水で禊(みそぎ)をすると…「左の目を洗った時、成り出たのが,天照大御神…右の目からは月読命ツクヨミノミコト)、…鼻からは須佐之男命(スサノオノミコト)。

こうして禊(みそぎ)で生まれた、三神の一柱として、皇室の先祖の神である、アマテラス(天照大御神)は、誕生したのです。 

ようやくアマテラスが登場しました。
その後のお話としては…

スサノオの乱暴に手をやいて、天照が石屋に引きこもった、天岩戸(あまのいわと)のお話し

スサノオが地上に追放された後の…ヤマタノオロチ退治

出雲神話因幡の白兎

大国主命が,苦労してせっかく作った出雲の国を、天照の命により、譲らざる、得なかった「国譲り」この国譲で鹿島神宮香取神宮の神様が、大活躍をしているんです。

そして、神が地上に降りた天孫降臨、初代天皇誕生の物語、などがあります。…そのほかにも、沢山の神話が、収められています。

 

古事記調べると、結構面白いんです。
良いことばかり、書いてあるわけではありません。
・乱暴者の、スサノオに手を焼き、天岩戸に、ひき持ってしまうような天照
オオクニヌシノミコトが苦労して、出雲の国を栄えさせると…天照は横から、いきなり出てきて「その国、私がもらい受ける」と言ったり

…ご皇室の祖先神である、天照も結構、自分勝手なんです。

 

 

 

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