旅cafe

旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。

ショーペンハウアー著『幸福について 人生論』

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WBS スミスの本棚
作家 本谷有希子が薦めるショーペンハウアー著『幸福について 人生論』

作家・本谷有希子(32歳)…小説『ぬるい毒』で去年秋、野間文芸新人賞を受賞、また脚本家、演出家としても活躍する…去年夏の舞台・演劇『クレイジーハニー』では、長澤まさみリリー・フランキーを起用し、はた目には奇異に映る二人の幸福と絆を描いた。

作家 本谷有希子
「私の作品は、客観的に見ると不幸なんですが主観は幸せなんですと終わってるの多いです」

本谷有希子が薦める一冊、テーマは幸福、ショーペンハウアー著『幸福について 人生論』です。…本谷さんは、仕事で落ち込んでいた3年前、この本に出会いました。

作家 本谷有希子
「最初のページの最初から、幸福がそもそも人間にとっての一大迷妄であるというように ”幸福自体は無い”と言いきっている…そこがしびれました。…幸福は無いけど、あえて幸福になろうとするならば ”まあ書いてやるか” と書かれている本です」

読者の意表を突く導入ですが幸せになろうとするために最も大切な事は、人間の内面であるという考えが本を貫いています。

種々の財宝のうちで最も直接的に
我々を幸福にしてくれるのは、
心の朗らかさである。

人柄は運命に隷属したものでなく、
したがって我々の手から
奪い取られる事がない。…(『幸福について 人生論』より)

作家 本谷有希子
「他人からの称賛、評価を気にしてそれを追いかける事で殆どの人が人生を費やしてしまう…それはどうでもいいと書いてあったときに、凄くうれしいなと思いました…私も人の評価を以前は気にしていました…視界を開く幸せ本です。」

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ショーペンハウアー(1788-1860)

著者はニーチェにも影響を与えたドイツの哲学者、ショーペンハウアー、彼は社会通念をバッサリと切り捨てます。

くだらぬ人間は皆
気の毒なくらいに社交好きだ。

作家 本谷有希子
「社交的な人をショーペンハウアーは、ボロクソに言ってます。…バカは集まりたがるみたいな…(笑い)…精神的に豊かで自分で豊かさを作って行ける人は、社交とかはゴミだみたいな…そういう事を言いきってます」

「人と出会うことが大事とかもっと人と出会わないととか焦燥感に駆られたりしますけど、彼に言わせると『低能な人間のやることだ!』と一言で言いきってる…この潔さが心地いい」

・・・本谷さんは、この本を繰り返し読み、読む度に感銘を得るといいます。

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作家 本谷有希子
「生きる事に不安がある、苦しくてしょうがないとか自分はこれでいいんだろうか、とか思う人に読んでもらうと視界が開けるかもしれません」

■筆者:この本、面白そう…読んでみたい…探しにいってきます。