2011年、1ヶ月に渡り、福島、宮城、岩手を旅した記録です。Ambeaブログから引越しさせ1本にまとめました。…9年前の記事、本当に日記みたいな記事ですが、当時の気持ちをそのままに載せておきます。…管理人
昨日(2011.6.23)福島入りしました・・相馬市沿岸部の現状です。
海水浴、潮干狩り、自然公園など観光が産業の松川浦です。
相馬港周辺の住宅エリア・・建物は残っていません。
テレビ映像で何度も見た光景ですが実際に見てみると自然の驚異の前には、いかに人工物はもろいのかと感じざる得ません。
本日より、相馬市災害ボランティアセンターに参加しました・・ボランティアは、当日の朝9時からの受付を済ませて(事前登録無し)各地に派遣されることになります。
1.民家のガラ、土砂かき、ゴミ出し、清掃作業
2.写真洗浄
3.被災住宅を回り、どんな事に困ってるかをアンケートし活動に加える
4.ペット避難所
5.特技、特殊能力者作業
各地から集まったボランティアは総勢50名、それぞれ作業が割り振られ、私は『ペット避難所』へ派遣されました。
ペット避難所は、被災された方が避難所や仮設住宅などでペットが飼えずやむおえず臨時で預かっている場所です。
小型犬は被災者も何とか自分で面倒見ているようで預かっている犬の殆んどは中型犬、大型犬(30匹)です・・作業内容は、犬の散歩・・チョット災害ボランティアのイメージから離れた仕事ですが誰かがやらなきゃならない事です。
その中で預かった後、出産した犬がいまして(上記写真)3匹の里親を探しています・・母親は、写真の犬で毛が短いタイプの中型犬・・賢い顔してますよ。
でもかんじんの父親がわからないんですよ・・でも子犬は可愛いですよ・・どんな犬に成長するかわかりませんが飼っていただける方は、是非手を上げていただきたいですね。
■これもりっぱなボランティアって言えるんじゃないですかね。
震災ボランティア(2011.6.29)写真洗浄作業(福島県相馬市)
福島県相馬市入りして5日目、震災ボランティアの仕事は相変わらずきりがありません・・作業内容は、・・
1.民家のガラ、土砂かき、ゴミ出し、清掃作業
2.写真洗浄
3.被災住宅を回り、どんな事に困ってるかをアンケートし活動に加える
4.ペット避難所
5.特技、特殊能力者作業
平日の月曜日なのでボランティアの方もぐっと少なく40名ぐらい・・選んだ作業は写真洗浄です。
相馬市ボランティアセンターから車で5分、廃校になっている女子高校での作業です・・泥と埃にまみれた賞状、葉書、写真などをブラシ、ウェットティッシュなどで綺麗にする室内作業です。
体力に自信のない女性や年配者でもできる作業です・・作業の合間で被災者の方のためにエリア(地域)ごとに分けて展示しているコーナーが設けられており覗いてみると・・平日にも係わらず多くの被災者が思い出の品を探しに訪れていました。
写真、賞状、位牌、手紙、文集、などを大事そうに手提げ袋に入れている光景を見にすると・・「丁寧に取り扱わなきゃダメだな」 と思いました・・効率を考えて急ぐと『ビリ』って切れちゃったりするんです。
写真洗浄作業は、効率を考えるより正確さを求められる作業ですね・・向き不向きの性格もあるかもしれません。
■上記写真は、展示スペース・・ボランティアの洗浄作業リーダーに聞いたところ6割ぐらいは持ち主の手に戻っているようです。
■意義のアル作業・・写真洗浄作業は体力に自信のない方でもできますよ・・是非参加して下さい。
災ボランティア(2011.6.30)瓦礫撤去作業(福島県相馬市)
福島県相馬市入りして6日目、震災ボランティアの仕事はまだまだ沢山有ります。
1.民家のガラ、土砂かき、ゴミ出し、清掃作業
2.写真洗浄
3.被災住宅を回り、どんな事に困ってるかをアンケートし活動に加える
4.ペット避難所
5.特技、特殊能力者作業
本日は、ボランティアの数もぐっと減って27名、私は民家の瓦撤去作業に回りました・・今回の地震で明らかになったのが屋根の瓦は地震に弱い事ですね。
今回の旅は、千葉を出発して東京、茨城、栃木を経て福島入りしました・・途中、茨城から屋根瓦が落ちてブルーシートで屋根を補修した民家が目立つようになって・・栃木に入ると3割ぐらいの被害、福島は7割以上の瓦が落ちています。
話によると瓦拭き職人の数、瓦の生産体制の限界などにより、『補修の順番が回ってくるのが2年以上先になるのでは』なんて話も出ていました。
■瓦が落ちていない屋根もありますから、なぜ落ちない屋根と落ちた屋根があるのかを検証する必要がありますね・・やはり日本人にとって瓦屋根は文化です・・瓦屋根は風情がありますよ。
■作業の方はというと結構きつかったですが休憩を多く取りながら進めたので肉体労働的な作業でも怖がる必要はありません・・女性でも問題ないと思いますね。
震宮城県入り(2011.7.5)山元町災害ボランティアに参加!
福島県相馬市で3日間、災害ボランティアをして海岸線の道を北上しますが上記画像の通り、道は寸断させています。
仕方なく海岸線より3キロほど内陸の国道6号で宮城県入り、しかし国道沿いの田園地帯に稲の作付けはされておらず田畑は、このとおり、ゴミが散乱しています。
JR常磐線です。線路は流され・・かろうじて列車が乗っていた部分だけが線路が残っています。
海岸から2キロ地点のセブンイレブン・・このエリアの被害の大きさがわかります。
撤去されたゴミ、瓦礫の臨時集積場です・・ここはまだ余裕がありそうですが、NHKのクローズアップ現代でも瓦礫、ゴミ集積場が満杯状態だと特集組んでいましたね・・課題ですね。
本日は、宮城県亘理郡山元町(仙台まで40キロ)の災害ボランティアーセンターで作業を行ないました・・宮城県の最南端のボランティアセンターです。
作業内容は畑の瓦礫、ゴミ撤去・・暑さのせいもあり、かなりキツイ作業でした。
■福島県相馬市のボランティアセンターも社会福祉協議会で運営されていましたが・・山元町も同様です・・つまり、ボランティアセンターと言うのは、各地にある社会福祉協議会で運営されるものなんです。
宮城県多賀城市に入りました(2011.7.7)災害ボランティアに参加する方の共通性!
宮城県多賀城市に入りました・・仙台の隣、沿岸部が多賀城市です・・ひどくやられていました・・多くの犠牲をだしたエリアです。
多賀城震災ボランティアセンターでの活動です・・ボランティア用に専用の駐車場を借りていただいていました・・ボランティアのテント村が出来ていましたよ。
本日の作業内容は、震災宅の後片付け・・取り壊す前に家の中をきれいにする作業です・・ヘドロ、流木、家具、畳などを撤去します・・思い出の品(写真、手紙、賞状)、使える洋服、食器などもあり、一気に潰してしまうわけにはいかないのです。
10名で4時間・・家主さんの立会いの下、撤去作業で出た不要物の山・・本日の成果です。
家の解体費用は、自治体で負担してくれるようです・・しかし沿岸から1キロ以内のエリアなので国の管理区域となっており家は建てられないとのこと。
家主さんは、またここに住めるようになるのか・・土地を買い取られてこの土地を離れなければならないのかとおっしゃっていました。
■ボランティアも5日、いろんな方と話しまして感じたのはボランティアの人って自分自身も困ってる人も多いですね。
■被災者、失業中、人生に悩みを持つ方、決して経済的に余裕があるわけではない方(私自身もそうですが (笑))・・まあ生活、精神的、経済的に余裕のある方は、募金で貢献しているのでしょうから・・ボランティアに参加する人って何かしら困ってる方って多くなるんでしょうね。
宮城県気仙沼に入りました(2011.7.9)こっぴどくやられていますね。
気仙沼は、海岸線が長いので広範囲で津波被害がでています・・福島の相馬市をスタートして北上するごとに津波被害が大きくなっているように感じます。
まだ気仙沼市街地は一般車両立入り禁止で解体作業の真っ最中でした。
本日は、気仙沼災害ボランティアセンターでの活動です・・民家の清掃、泥出し作業です・・床板を剥してスコップで泥をかき出して土嚢袋に詰める単調な作業、ホコリだらけ。
でも本日のリーダーは、段取り、指示が的確でした・・本日でボランティア6日目、段取りの悪いリーダーの下での作業ってホント疲れます。
でも的確な指示をして効率よく作業が出来るリーダーの下だとキツイ作業でもゼンゼン疲れを感じません・・作業終了後の爽快感は格別です。
■国も会社もボランティアも組織です・・リーダー次第なんですね。
岩手県に入りました(2011.7.10)陸前高田の現状です。
福島の相馬市をスタートした被災地巡りの最後として岩手県に入りました・・テレビで何度も流された津波で壊滅状態の陸前高田市街地の映像がありましたが、あれは一部です。
実際には、他にも何十ヶ所も同じように背後に山を抱え、前面が海とうい地形で壊滅的なエリアがありました。
陸前高田市街地は、たとえると写真でしか見た事ありませんが『原爆投下直後の広島市街地』、『東京大空襲直後の東京市街地』のようです。
現在でも警察、自衛隊が大量に動員されてご遺体の捜索にあたっています。
ボランティア7日目・・本日は、陸前高田災害ボランティアセンターでの作業です・・田んぼの瓦礫、遺物撤去作業・・スコップで泥を掘り起こし、布、ガラス、プラスチック、紙などを取り出す作業。
予定は、15:00終了だったんですが暑さで体調を崩すボランティアが続出した為、急遽14:00で終了・・確かに暑かったな!!
■陸前高田にボランティアに来る人へ注意事項!・・町の機能は完全に壊滅しています。ショッピングセンター、役所、消防署、警察署、コンビニもありません・・災害ボランティアセンターには、水道が通じていません・・川の水を汲んで用具の清掃などを行なっている現状です。
■安易に 「泊まる所が無ければ車中泊でもいいや」 なんて考えて陸前高田に入ると大変・・十分な準備、(食料、洗濯など)をして陸前高田に入ってもらいたいですね。
陸前高田(2011.7.11)災害ボランティア活動2日目
本日の作業も田んぼの遺物撤去です・・でも作業開始20分で津波警報(宮城県沖M7.1 最大50センチの津波)・・作業は中止で高台へ非難しました。
堤防が完全に破壊されていますから50センチの津波でもすぐに浸水してしまうようです・・と言うことで本日の作業は猛暑と津波で中止・・時間が空いたのでお隣の大船渡の被災状況を見に行きました。
陸前高田ほどじゃないですが大船渡もこっぴどくやられていますね。(上記画像は大船渡市街地)・・でもコンビニ、スーパー、消防署など町の機能は残っていますから大船渡に関しては、現地でなんでもそろいそうです。
明日も陸前高田でボランティア活動の予定なんですが何もかもが破壊された街ですが素晴らしいものを発見しましたよ・・『復興の湯』・・地元の有志で立ち上げた無料のお風呂です・・気持ちよかったー。
■『復興の湯』で陸前高田の評価が一気に上がりましたよ。
9日間の災害ボランティア活動を振り返って
2011.6.24 福島県 相馬市災害ボランティアセンター
2011.6.29 福島県 相馬市災害ボランティアセンター
2011.6.30 福島県 相馬市災害ボランティアセンター
2011.7. 5 宮城県 山元町災害ボランティアセンター
2011.7. 7 宮城県 多賀城市災害ボランティアセンター
2011.7. 9 宮城県 気仙沼災害ボランティアセンター
2011.7.10 岩手県 陸前高田市災害ボランティアセンター
2011.7.11 岩手県 陸前高田市災害ボランティアセンター
2011.7.12 岩手県 陸前高田市災害ボランティアセンター
福島、宮城、岩手と3日間づつ計9日間の活動でいろんな方と会いました・・いろんな作業をしました・・様々な被災地を目にしました。
陸前高田の惨状
東日本大震災での津波の影響は、北上するにしたがって被害が大きくなっているように感じました・・岩手県大船渡市までしか行ってないのですが一番大きな被害を受けているのが陸前高田市です。
他の市町村では、自衛隊の活動は、整理縮小傾向ですが陸前高田では、今尚、自衛隊、警察の機動隊が行方不明者のご遺体捜索に多くの人数を投入し続けています。
とにかく陸前高田は、役所、警察、消防、スパー、コンビニなどあらゆる生活に必要な機能が津波によって壊滅しています。
いくらボランティアを投入しても足りないでしょう・・現地の状況も刻々と変わります・・陸前高田にボランティアに入る方は、十分準備をして最新情報を確認してから入る事をお勧めします・・とにかく何も残っていません。
個人ボランティアの受け入れについて
被災地市町村に災害ボランティアセンターがあるのですが県外の個人ボランティアを受け付けていないセンターがあるので注意したほうが良いですね。
各地5名以上が条件のようです・・私が活動した災害ボランティアセンターは県外の個人ボランティアを受け付けています・・傾向として大きな都市のセンターは、個人での参加を受け付けていない傾向があるように感じます・・個人参加の場合は必ず確認をとってから参加するようにして下さい。
ボランティアセンターの縮小について
自衛隊の活動も縮小していますが災害ボランティアセンターの活動も縮小傾向の町があります・・多賀城市などは今後は、登録制にして仕事がまとまったら登録者にメールを送信して協力を募る方法を取るようです。
陸前高田のようにいくらでも人手を必要としている場所もありますが・・縮小傾向にあるボランティアせんたーも多いようです。
必需品
私のお勧めは、『麦藁帽子』むぎわら帽子が涼しいし一番ですね・・それと車中泊でクルマで向かう方は、必ず『ハエ叩き』、できれば『キンチョール』とにかくハエが多いですね。
各地の災害ボランティアセンター
福島県 http://d.hatena.ne.jp/somasaigai/
宮城県 http://msv3151.c-bosai.jp/
岩手県 http://bit.ly/ivtfk0
■まだまだボランティアの力を必要としている地域があります・・是非皆さん『歴史を見てみる』・・そんな動機でもいいと思います。
■いろんな作業があります・・女性や年配者でも問題なし・・女性歓迎の仕事も多いですよ。
■ボランティアが入れば地元にお金も落ちます・・どんな動機でも結果は同じ・・人手が必要な地域がまだまだ沢山あります・・是非、東日本大震災関連の災害ボランティアに多くの方の参加を期待します。
管理人の独り言
日本人は本当にたくましい。あれだけの大災害にもかかわらず、粛々と復興を遂げている。災害に対して受け止める文化が根付いているのでしょう。
今回は世界中が大災害、日本は立ち上がるだろうけど世界はちゃんと立ち上がれるんだろうか。…なんて事を東日本大震災の記録を整理しつつ考えた管理人でした。
追記:この記事のカテゴリー(テーマ)は「歴史(近代史)」だろうな…。