奥蓼科
御射鹿池 横谷渓谷
「チョット疲れたかな、癒されたいな」と思った方は奥蓼科をお奨めいたします。神秘的な風景が貴方を待ち受けている。また、八ヶ岳への登山口としても多くの登山家に愛されている地でもあります。
諏訪湖の東、北八ヶ岳の麓、西を見れば北アルプス・中央アルプス・南アルプスを望める…日常を忘れさせてくれる場所、それが奥蓼科です。
今回は、そんな奥蓼科を語ります。
「青枠:御射鹿池」「赤枠:横谷観音展望台」「ピンク枠:王滝」「黒枠:乙女滝」「黄枠:霧降の滝」
御射鹿池(みしゃかいけ)
御射鹿池を説明するには、東山魁夷画伯の名画 「緑響く」 を語らなければならないでしょう。
まずは、吉永小百合さん出演のCMでシャープ AQUOSから…
昭和を代表する日本画壇の巨匠、東山魁夷の代表作 ”緑響く” は、御射鹿池を描いていたんです。
東山は1908年横浜県出身、東京美術学校を卒業。太平洋戦争への応召、肉親の相次ぐ死といった苦難の中で風景の美しさを見出し、《残照》(1947)で画壇に認められると、戦後は主に日展で活躍した。
代表作は《残照》《道》《緑響く》、自然と真摯に向き合い、日本人の自然観や心情を反映した東山の、普遍性を有する画業は、広く世界の画壇からも評価されている。
御射鹿池、周囲のカラマツ林は、季節ごとに大胆に色を変えます。春には新緑、夏には深い緑、秋には黄金色に黄葉し、そして冬には真っ白な雪と氷に閉ざされます。
御射鹿池の鏡のような湖面に映し出された木々の森閑とした景観を見るにつけ、東山画伯の感動、驚き、感性を理解できるような気がしてきます。まさに東山魁夷の描いた ”緑響く” が現実の光景として広がっています。


御射鹿池の魅力を発揮するのは、晴天下ではなく ”曇り空” の下です。弱い光の下での湖面は神秘的な様相を呈します。…一番のお奨めは、晴れの日の早朝、薄靄が立ち込めた湖面は、まさに東山魁夷の ”緑響く” そのものの世界です。


※注!…こんなに美しい池ですが、実はこれは農業用のため池で、冷たすぎる八ヶ岳の水をお日様に当てて稲作に利用するために、昭和の初めにつくられたものです。 池の水は今でも麓の笹原地区で大切に利用されており、池の周囲も笹原の人たちによって整備されています。
※堤防内は立ち入り禁止で、池に近づくことはできません。
地元で大切に利用されている農業施設ですので、環境維持にご協力お願いいたします。
それと…御射鹿池は有名になりすぎまして現在では観光バスまで乗り付けています。週末の日中は混雑しており、ゆっくり景観を楽しめる雰囲気ではありません。やはり、落ち着いて東山魁夷の世界観を体験したい方は、早起きして早朝訪れる事をお奨めいたします。
拝観料:無し
駐車場:有り(無料)
横谷渓谷(横谷観音展望台・王滝、霧降の滝、乙女滝)
奥蓼科温泉郷にある横谷渓谷(横谷峡)は、いくつかの滝があり、夏は涼しく、冬は氷結して蓼科高原クリスタルフェスティバルの氷瀑群としてライトアップされます。10月半ば~11月初めの紅葉の時期など、多くの人が訪れます。
横谷観音展望台、横谷峡(王滝、霧降の滝、乙女滝)を紹介します。トレッキング、散策コースとしても人気のあるルートです。
「赤枠:横谷観音展望台」「ピンク枠:王滝」「黒枠:乙女滝」「黄枠:霧降の滝」
横谷観音展望台
横谷観音展望台駐車場(無料)にはトイレもあり、横谷渓谷散策の拠点とするにはもってこいの場所です。駐車場から展望台までは徒歩5分。やはり秋の紅葉シーズンがいい…もみじの赤も随所に見られる山です。


展望台の途中に大滝神社があります。 ご祭神は、大国主命の御子神であり、諏訪大社のご祭神でもある建御名方命(たけみなかたのみこと)です。御神体は大きな黒曜石で、北八ヶ岳の冷山から人馬のみで曳行し、建立されたものです。



展望台には天皇陛下もご訪問されている。横谷聖観世音菩薩の御堂とともに「皇太子御一家行啓記念樹の碑」が立っている。
宇賀神の石像なども広場に設置されていて立て看板によると…「麦草峠の道路わきに古くからあったものだが、観光開発が進み各地で石仏の盗難が相次ぎ、目の届く場所として展望台に設置された」…との事。
展望台からは横谷峡、王滝を見ることができ、滝までは徒歩10分。


横谷峡(よこやきょう)
横谷観音展望台から、横谷峡に降りる事もできますが、ここは一旦クルマを移動して、乙女滝近くの横谷峡駐車場(無料)に停めて、横谷峡の散策に入ります。
横谷峡には、渋川に沿って素晴らしい遊歩道(信濃路自然歩道)が整備されています。乙女滝、霧降の滝、鷲岩、屏風岩を経て王滝へと向かいます。距離にして3キロ、往復6キロの行程です。


遊歩道が素晴らしい…渋川の渓流近くまで道が迫っているところが随所にあるんです。マイナスイオン浴びながらの森林浴…癒されます。


鷲岩は、柱状節理(ちゅうじょうせつり)が見られる場所としても有名です。…柱状節理とは、岩に入った柱状の割れ目、マグマが冷却する際、収縮して生じ六角柱の岩です…北海道の層雲峡、福井県の東尋坊、兵庫県の玄武洞(げんぶどう)などが有名です。


そして王滝。横谷観音展望台から見たのと全然違う…大迫力でした。


管理人の独り言
管理人はまったく意識していなかったんですが奥蓼科温泉まで来る道すがらに観音様が立っているそうなんです。…その記事を紹介いたします。
奥蓼科 三十三番観音
八ヶ岳の麓の集落から奥蓼科に向かう街道沿いには、渋温泉、明治温泉の三十三番観音が旅行く人を見守っております。
かっての古い時代、この奥蓼科温泉は武田信玄の隠し湯と言われ、戦いで傷負った武将が傷を癒すのに湯治に訪れたと言い伝えられております。その道順に道しるべとして、そして安全を祈願したものだそうです。
そして、明治時代に入り、八ヶ岳裾野の農家の方々が農業の空いた時間に湯治に訪れました。その時の奥蓼科温泉への道しるべとして見守って下さいました。
八ヶ岳麓の市街地(茅野市街)からきた最後の集落の中に(茅野市笹原地区)それぞれの一番観音があり、その街道沿いには、それぞれの温泉まで随所にそれぞれの観音様が祀られておりますので、奥蓼科に向かう途中、そのいろいろな観音様を拝みながら行くのも風情があり、一つの旅のページになるでしょう。
渋温泉、明治温泉とも当初は三十三番あったと思われますが、長い年月にさらされ、風化し壊れたり無くなったりしているものもあります。先代の方達により修復されたものも多くあり、まだまだ多くの観音様が残っております。
十一面観音
十一面千手千眼観音
千手観音
聖(しょう)観音
十一面千手観音
馬頭観世音
如意輪観音
准胝(じゅてい)観音
不空羂索(けんじゃく)観音



この観音様をそれぞれに拝み良く見ることにより、昔の方々がこの奥蓼科温泉をいかに重要にしていたがが伺えます。
次に奥蓼科を訪れた時は、観音様に手を合わせながら向かおうと思います。
…40体以上の観音様が皆様を歓迎いたしております。
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