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祝! 打ち上げ成功 新型ロケット イプシロン

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NHK サイエンスZERO
祝! 打ち上げ成功 新型ロケット イプシロン

日本が12年ぶりに生み出した新型ロケット 『イプシロン』 9/14日ついに宇宙へ飛び立ちました。…この輝かしい成功の陰には、技術者たちの苦難の道のりがあったのです。

・研究4年
・開発3年
・打ち上げ中止(2013年8月27日)

イプシロンロケット
高さ:24.4m
重さ:91トン
三段式ロケット
とロケットの中では小型です。

イプシロンの『E』は…
Evolution=革新
Exploration=探求
といった願いが込められています。


8月27日 打ち上げ中止
あの時なにが!?

6月の深夜、鹿児島の町中を巨大なトレーラーが慎重に移動して行きます。積み荷はイプシロンロケットの一段目。

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新型ロケットはいくつかに分かれた状態で発射場へと運ばれました。今回打ち上げが行われたのは、JAXA内之浦宇宙空間観測所です。

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既に7月の下旬から最終組み立て作業が始まっていました。実はイプシロンの組み立て作業、従来のロケットとは全く違う新しいシステムで行われたのです。

これまでは数十万点以上の部品が正しく組み上がっているかどうか延べ100人もの熟練技術者がしらみつぶしに点検しなければなりませんでした。

そこでイプシロンでは、熟練技術者の点検の技をコンピューターの覚えこませようとしたのです。なんと点検作業を全て自動化しようという大胆な作戦、こうして生まれたのが人工知能 『ROSE』(ローズ)…これがイプシロンロケットの3段目に搭載されました。

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この自動化により、これまで40日以上かかっていた点検作業が7日で行う事ができたのです。…そしてついに8月27日、打ち上げ予定日を迎えたのです。

しかし…

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あれ???…打ち上がらない…???

イプシロンロケット プロジェクトマネージャー 森田泰弘さん
「計算機が判断して自分で止めました。」

…計算機が自分で止めた?

実はこの時、打ち上げを止めたのは、発射場から2キロ離れた管制センターにあるコンピューターでした。

それがLCSと呼ばれるメインコンピューターです。…イプシロン内部にもOBCというロケットの状態をチェックするコンピューターが搭載されています。

打ち上げの19秒前、LCSが…
LCS:「ロケットの姿勢を調べて!」
と言ったんですがそれが予定より、0.07秒早かったんです。

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その為、OBCはロケットの姿勢をまだチェックしておらず、誤ったデータをLCSに送り返してしまいます。

これを受け取ったLCSは…
LCS「え!…異常事態だ!…打ち上げ中止」
と判断し打ち上げ中止を決定してしまったのです。

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人間には知る由もない、コンピューター同士のやり取りが、あの打ち上げ中止を決定づけていたのです。…そしてイプシロンは、9月14日無事に発射されたのです。


難関に挑め!
イプシロン成功の舞台裏

しかし、イプシロンは発射はしましたが、人工衛星を打ち上げて初めて成功なのです。今回打ち上げられたのは、惑星分光観測衛星 『ひさき』 です。

惑星分光観測衛星 『ひさき』 は、金星・火星・木星の大気を観測する世界で初めての惑星望遠鏡です。

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ひさき』は、地球表面から950キロ~1150キロ、キッカリこの軌道に乗らないと観測できないのです。…この狭いエリアの軌道に乗せるというのは至難の業なのです。…イプシロンは予定された通りに飛行しなければなりません。

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三段のロケットを次々と燃焼させ高度800キロの宇宙空間を目指します。もしもこのコースを外れれば地上への落下を防ぐためイプシロンを自爆させなければならないのです。

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1段目:地球の大気を斬り裂き、重力を振り切り高度80キロまで
2段目:最終到達高度800キロを目指します。成功!…ここで自爆の必要が無くなります。
3段目:そして3段目が燃焼を終え始めたあたりから徐々にコースから外れ始める…しかし、イプシロンには、もう一つ隠し玉が用意してあったのです。

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衛星の台座部分に取り付けられた、『PBS』 といわれる推進装置、…PBSには9つのノズルが付いていて、ここからガスを様々な方向に噴射しながら軌道を修正できるのです。

1回目:打ち上げ21分、ハワイ上空でPBSを噴射
2回目:チリ上空でPBSを噴射…
…するとブラジル上空で見事、目標軌道に乗せる事に成功。

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そして打ち上げから61分39秒、ピタリ目標軌道の上で衛星を分離したのです。

イプシロンロケット プロジェクトマネージャー 森田泰弘さん
『… 打ち上がった瞬間、小さなガッツボーズでしたが衛星を分離した瞬間は、万歳でした。

PBSは今回初めて導入された技術です。…今まではどうしていたかといいますと、…
・衛星にエンジンを乗せて衛星自身が軌道を最終的に微調整
・それをイプシロンが引き受けるので衛星は軌道の微調整をしなくてよい

つまり、衛星開発をする方たちは、余分な事(軌道への微調整)を考えず衛星だけに集中できるのです。

これにより、今まで宇宙に挑戦できなかった人たちがどんどん挑戦できるようになる… ”宇宙への敷居がグッと下がる” 事になったのです …』


更に高性能へ!
イプシロンロケット

現在イプシロンが使っている固体燃料は世界最高水準の燃料なんですが、まだまだ新しく開発する余地があります。

イプシロンの固体燃料の減量には、アルミニウムとゴム…燃焼に必要な酸素を供給する ”酸化剤” が含まれています。中でも注目しているのが酸化剤の改良です。

燃えるときにより高いエネルギーを出す新たな酸化剤を開発しています。ADNと言われる酸化剤です。…このADN酸化剤として酸素を出すだけでなく、ADL自体が激しく燃えて推進力を出す事が出来るのです。

イプシロンロケット プロジェクトマネージャー 森田泰弘さん
『…ADNのおかげで2割能力がアップします。するとイプシロンで月や惑星探査が視野に入ってきます。固体燃料にはゴムが含まれていますがゴムの成分も開発しています。

従来のゴムは、固まるともう二度とやり直しがきかないのでロケットに入れる時は、かなり熟練したエンジニアが何人も集まってやらないとできないのです。これが固体燃料の燃料コストが高い理由です。 

一方、新しく開発したゴムは何回もやり直しがききます。つまり固体燃料の製造がより簡便になります。ADN(酸化剤)と組み合わせると ”より高性能、低コストの燃料” が出来るのです。…』


イプシロン新技術
1.人工知能 『ROSE』
2.軌道微調整推進装置 『PBS
3.固体燃料、ADN(酸化剤)、新開発ゴム

これらのイプシロンの新技術によって、今回、日本の宇宙ロケット技術は、初めて欧米と並んで一部は抜いたかな…一歩リードしたと言う事ではないでしょうか。

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司会 中村慶子アナ
サイエンス作家 竹内薫
南沢奈央

 

 

 

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