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旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。

ホーキング博士の宇宙 137億年の物語

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NHK コズミックフロントホーキング博士の宇宙 137億年の物語

スティーブン・ホーキング博士
宇宙を支配する法則を解き明かす事に人生を捧げています。時空の本質とは何か…万物を支配する法則あるのか…人類の運命は…究極の問いに挑み続けています。

 

その博士が今回とりあげる難問は、宇宙はどのように始まり、現在の姿になったのか…137億年前に誕生した宇宙、最初の瞬間にいったい何が起きたのでしょうか?

星や銀河を作りだした力とは?
始まりから現在までの壮大な宇宙の歴史をホーキング博士がひも解きます。

スティーブン・ホーキング博士
「hello・・私の名はスティーブン・ホーキング・・物理学者、天文学者、そして夢想家です・・身体は思うようになりませんが頭の中は自由です」

「私はいつも宇宙について考えていますが決して飽きる事はありません…宇宙は本当に驚くべきものです。これは(下記画像)宇宙を広い範囲で見渡した眺めです…小さな光の点の一つ一つが銀河でそれぞれが数千億もの星からなっています

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最新のスーパーコンピュータが描き出す宇宙の姿は、言葉にも出来ない美しさです…無数の銀河が蜘蛛の巣のようにあらゆる方向へ広がっています…そしてここからが感動的なところです。

広大な宇宙の一角に特にどうと言う事のない渦巻状の銀河があります…そこに平凡な黄色い恒星があり、周りを8つの惑星が回っています…その一つに住む生き物がようやく宇宙の素晴らしさを理解するようになりました。…私たち人類です。

私たちは、これまで宇宙に関する多くの事実を発見しました…人類が生まれてから長い間、私たちの先祖を悩ましてきた宇宙の謎を解明しつつあるのです。

私がとても嬉しいと思うのがこうした発見が息を飲むほどエレガントで驚きに満ちているということです。…地球を始め私たちの回りにある物質は、宇宙が若かったころ星の中で作り出された事がわかりました。

太陽のような高温で燃える水素ガスのかまどの中で私たちを形作る元素が生まれたのです…宇宙が誕生してから137億年もの時間が流れています…そしてこれからもその2倍は存続すると考えられています。

しかし、何よりも驚くべきことは、この無数の銀河、時間や空間といったあらゆるものが無から生まれたという事です…。


Front 1
宇宙誕生 そのとき何が起きたのか?

宇宙はまるで風船が膨らむようにあらゆる方向に膨張しているのです…これは宝くじを当てるほどラッキーな発見でした…つまり、時間を逆転するだけで宇宙誕生の瞬間に迫る事が出来るのです。

時間を遡ると全ての銀河がドンドン接近し、ある一点に終息します…それはとても単純な事です…宇宙は遠い昔、大爆発によって誕生したと考える事が出来るのです。…これがビッグバンと呼ばれる出来事です。

ビッグバンによって生まれた宇宙は刻一刻と温度を下げながら膨らんでいきました…100秒後には、太陽系ぐらいの大きさになっています。

次第に冷えていく中で中性子や陽子など後に原子を構成する粒子が作られました…粒子の半分は、人体を作っているのと同じ物質でした…残りの半分は正反対の性質を持つ、反物質です。

物質と反物質がぶつかるとエネルギーを放ちながら消滅してしまいます…物質の方が僅かに多かったため、10億分の1ほどの粒子が生き残りました…私たちにとっては幸運な事です。

なぜなら現在の宇宙は、この10億分の1の物質で成り立っているのです…私たちは、いわばビッグバンの煙で出来ているのです。

誕生して10分には、宇宙の直径は数千万光年に達します…宇宙はまだ不透明な霧に包まれたような状態でした…しかし38万年たった頃、その霧が晴れて光が遠くまで届くようになります…つまり宇宙が見渡せるようになったのです。…これが宇宙の始まりです。

 

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Front 2
重力が宇宙に「かたち」を与えた

宇宙はガスの塊から数千億もの銀河に変わっていきます…数千億もの銀河が小さな原子の組み合わせから出来ている事を考えてください…桁はずれなスケールです。

この宇宙の壮大なカラクリを成り立たせている原動力、それは重力です…。

全ての物質をくっつけるのが重力、誕生直後の宇宙で重力は大きな役割を果たしたのです…ビッグバンの直後、宇宙はガスで満たされていました…重力は、その後、2億年に渡ってガスを手繰り寄せます。そこからあらゆる物が剥ぐぐまれて行くのです。

密度が高い部分には更に大きな重力が働きます…重力が宇宙に形を与え、星や銀河を作ったのです。


Front 3
星の誕生 そして元素が生み出された

初期の宇宙は、ほとんど水素ガスからなっていました…重力がそのガスを引き寄せ大きな雲を作ります…最初の星はここから生まれました。

水素は、最も単純なガスですが非常に強力なエネルギー源になるという性質があります…水素ガスが1000万度に達すると大きなエネルギーが生じます…それによって星が輝き、宇宙に熱と光をもたらします。

重力が何百万年もの間、水素ガスの雲を圧縮し続けた結果、雲の中心部が高温となり核融合が始まったのっです。…こうして最初の星が誕生します。

ビッグバンの後で残った物質で作られた宇宙、そこに新たに誕生した星がエネルギーを生み出します。…最初の星は太陽より、ずっと大きく青い光を発していました。

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間もなく仲間の星が誕生し、更に沢山の星が続きました…しかし、私たちの知っている普通の物質、原子だけでは、密集させる事は出来ず、星や銀河は生まれなしのです。

大量の未知の物質が必要となります…その名は、”ダークマター”…宇宙空間を調べると興味深い事がわかりました。

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宇宙の画像の青い部分はダークマターの多いところを表しています…一方、赤い部分は星や銀河など普通の物質が集まっているところです。…ダークマターの多いところと普通の物質が多いところが一致しているのです。…星や銀河の形成にはダークマター不可欠だったのです。

誕生した星もやがて寿命を迎えます…そして徐々に圧縮されて限界を迎え、超新星爆発を起こします。…強烈な衝撃波が星を通り抜けます…そして鉄より重い元素が次々と作り出されました。金やプラチナ、鉛のような金属元素です。

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貴方が金の指輪を持っているならどうぞ大切にしてください…それは何十億年前に目もくらむ閃光の中で生まれたものなのですから。

スティーブン・ホーキング博士
「驚いた事に私たちの体は、星と同じ素材で作られています…その物質の反応から生まれるエネルギーで心臓も動いているのです…私たちを魅了し、圧倒するものが大宇宙には、まだまだ沢山あります」


Front 4
星の死 そしてブラックホールの誕生

重力を野放しにしておくとどうなるかという見本が、私たちの住む銀河系の中心に横たわっています…ブラックホールです。

スティーブン・ホーキング博士
「20代の頃、ブラックホールについて基本的な計算を行ったのですが、当時はブラックホールに熱中する人がほとんどいませんでした…今とはずいぶん違います」

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今や世界中の物理学者がブラックホールを研究しています…ブラックホールは宇宙の中で重要な役割を果たすだけでなく、宇宙の終焉の姿を暗示するものであると分かってきたのです。

太陽の20倍もの質量をもつ大きな星が死ぬ時、ブラックホールが生まれます…不安定になった星は、終わりの時が近づくほど激しく脈動します。…やがて燃料を使い果たして収縮し始め密度が高くなってまら温度が上昇します。

これほど大きな質量の星の崩壊を止める力はどこにもありません…この星は、中心部が重いため底に引っ張られるようにしながら崩壊します。…重力の暴走です。

ほんの数十秒で巨大な星が押しつぶされてしまいます…自らの重みに圧迫されて更に小さくなっていく星、中心部の温度は100億度に達します。…超新星爆発、星の外側は吹き飛び中心部は”重力の井戸”と呼ばれる状態となって収縮を続け、最後には1点となります。

ブラックホールの誕生です…近くのものは全て引き込まれてしまい光さえも逃れられません…ブラックホールがどれほど高密度か地球を使って表現します…地球を少しずつ圧縮し押しつぶしていきます…そして最後にはブラックホールになります。

地球を一粒の豆の大きさまで押しつぶすと地球は”重力の井戸”となって消えてしまうのです。

スティーブン・ホーキング博士
ブラックホールの研究をしていた頃、最も意外だった発見のひとつは、ブラックホールは完全な闇ではないという事でした…初期の宇宙に完全な均衡がなかった事と同じです」

宇宙に完全はありません…ブラックホールは、小さなものほど大きなエネルギーを放射します…極小さなブラックホールなら輝きさえ放つのです。

現在、宇宙にあるブラックホールのほとんどは大きく、小さなものでも直径は24キロ、太陽の4倍もの質量があります。…中には太陽の何千倍もの質量を持つものや更に巨大なものもあるのです。

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そうした超巨大なブラックホールの多くは銀河の中心にあります…私たちの銀河の中心にあるのは、太陽の400万倍もの質量をもつ巨大なブラックホールです。

数多くの銀河がこのようなブラックホールを中心として回転しています…ブラックホールによって銀河の形は安定しているのです。


Front 5
ついに惑星 地球が誕生

超新星爆発は様々な物を生み出しました…元の星を形作っていた物質、そして爆発によって出来た重い金属、それが宇宙空間に渦巻く雲となります。

そのような雲の中に地球のような原型が表しました…宇宙のちりが重力によって寄せ集められたものです…何十億トンもの宇宙の瓦礫を飲みこみ大きな球体に成長していきます。…地球はこうして生まれたのです。

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しかし、そのままでは地球は、ただの不毛の惑星だったかも知れません…自然は更なる作品を生み出そうとしていました。

1億5000万キロ離れた雲の中心で水素ガスの圧力と温度が高まり、原子の融合が始まります…新しい星、太陽の誕生です。

太陽は強烈な太陽風、…高エネルギーの突風を発しました…この風によって星雲の塵やガスの残りは外に吹き飛ばされ、太陽系は現在のようなスッキリした場所になったのです。

太陽系の外の方には巨大なガス惑星である木星土星天王星海王星があり、内側には岩石でできた水星、金星、火星、地球があります。

私たち人類にとって幸運だったのは、太陽がこれまで46億年もの間、輝き続けていたという事でしょう…そのおかげで生命が進化できたのです。

そして宇宙誕生から137億年後、ついに人類が誕生します…。

スティーブン・ホーキング博士
「この物語は人々を戸惑わせます…人類誕生までの一連の出来事がただの偶然だなんて…宇宙と人類を生んだ創造主の存在を科学が示しているのでは?」

一連の幸運な出来事を順序良く配置した設計者はいるのでしょうか…私は、必ずしもそうは思いません…こんな風に考えてみましょう、もし他にも宇宙が沢山あったらどうでしょう…それぞれのビックバンから生まれ、それぞれの宇宙法則から支配されているはずです。

 

 

 

 

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