旅cafe

旅行会社の元社員が書く旅日記です…観光情報、現地の楽しみ方、穴場スポットなどを紹介します。…当ブログ記事は転載OK…リンクを貼っていただけるなら遠慮なくお好きにお使いください。

地球に迫る 天体衝突の脅威

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NHK サイエンスZERO
地球に迫る 天体衝突の脅威

夜空を彩る美しい流れ星、しかし地球に生きる生物にとって大きな脅威ともなります。巨大なクレーターが物語る天体衝突、一度起これば破滅ていな被害をもたらします。

6550万年前、恐竜を絶滅に追いやった巨大な天体の衝突、今天体衝突を避けるための、観測や対策が世界中で始まってます。


シベリア・ツングースカ
謎の天体衝突

1908年6月30日、シベリア・ツングースカ、ここで大事件が起こりました…巨大な爆発です。

調査に入ったロシア科学アカデミーは、驚くべき光景を目にします。全ての木が同じ向きに倒れていたのです。

被害の範囲は2000平方キロ、東京都と同じ面積に広がっていました。しかも倒れている方向は、ある地点を中心に放射状になっていました。

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(倒木エリア 2000平方キロ)

この事から爆発の原因は小惑星の衝突と推定されたのです。…20年に渡って研究をしてきた物理学者のボローニャ大学、ジュゼッペ・ロンゴ教授と国立研究委員会、ルカ・ガスベリーニ博士です。

これまで二人は現地での調査を続けてきました…注目したのは爆発の中心から北へ8キロ離れた小さな湖・チェコ湖です。

チェコ湖は小惑星の軌道とピタリと一致するのです。

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南東から侵入してきた小惑星の一部が一旦爆発、そして真っ直ぐ8キロ進み台地をえぐり、湖を作ったのです。

2008年の調査では、チェコ湖の水深を測り、湖底の土を調査しました。その結果、湖の底は深く鋭角にえぐられたようになっていたのです。

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近くの他の湖と比べると明らかです。更に湖の底に音波を当てて調べると押し曲げられたように地層が曲がっているのです。

ボローニャ大学 ジュゼッペ・ロンゴ教授
「湖の底の土は、極めて密度が高い事がわかります。天体衝突による強い圧力の結果なのです」

その後の研究で直径50mの小惑星が、上空8500mで爆発、その衝撃波で湖が出来たのです。


地球に迫る
天体衝突の脅威

天体衝突で出来たクレーターは、現在地球上に182個確認されています。

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(現在確認されているクレーター)

 

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(オーストラリア ゴスズ・ブラッフ・クレーター)

1億4000万年前に作られたオーストラリアのゴスズ・ブラッフ・クレーター、直径22キロ、山手線の2倍以上です。


どうしてこんなに飛んでくるの?

太陽系の中の火星と木星の軌道の間に小惑星がたくさん回っている帯があります…メインベルト小惑星帯)、ここから地球に飛んでくるんです。

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メインベルト

この小惑星帯メインベルトには、数百万個の小惑星があります。

2004年クリスマス、驚くべきニュースが世界を駆け巡りました。

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NHKニュース9(2004年12月24日放送)
NASAアメリカ航空宇宙局は、23日、およそ直径400mの小惑星が25年後の2029年4月13日に地球と衝突する確率が1/300あると発表しました」

小惑星の地球との衝突が現実の問題として発表されたのです…その危険な小惑星を発見した人物は、ハワイ大学天文学者、デビッド・ソーレン博士です。これまで実に1000個以上の小惑星を発見してきました。

2004年6月19日、ソーレン博士は、ある小惑星を発見しました…しかし発見から2日後、見失ってしまいます…ソーレン博士は半年間、この小惑星を探し続けました。

そして12月18日、小惑星は再び捉えられます…ここ時の位置と前回観測した位置から小惑星の軌道が計算されました。すると2029年。1/300の確率で地球と衝突する事がわかりました。

直径400m、重さ7200万トンの小惑星にソーレン博士は、 『アポフィス』 と名付けました…エジプト神話における破壊の神を意味し、闇と混沌を象徴する存在です。

この日から世界中の天文台がアポフィスの観測を始めました。

ハワイ大学 デビッド・ソーレン博士
「このニュースが流れたのはクリスマスシーズンでした。多くの天文学者は自宅で家族と過ごす代りに望遠鏡のそばでこの小惑星の位置を計算していました・・私の同僚は、クリスマスが台無しだとぼやいていました」

世界中の望遠鏡がアポフィスに向けられ正確な軌道がわかってきました…その結果、クリスマスイブから3日後の27日、衝突の確率は1/37にまで上昇したのです。

地球に小惑星が衝突し、大きな被害を及ぼす。それがいっそう現実味を帯びてきました…アポフィスが落ちると直径4㎞のクレーターが出来ます。

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衝撃波により、数千平方キロメートルの範囲が壊滅します…これは、マンハッタンを中心とするニューヨーク全域に及びます。

アポフィスが衝突した場合、その影響は、落下地点だけにとどまりません。

天体衝突を研究している東京大学教授の杉田精司さん
「衝突で巻き上げられた塵が大気中に滞留してしまい、大気の中に微粒子が漂ってしまうため太陽の光を遮り、長期間にわたって気候変動を及ぼしてしまします…数カ月から年単位での長期化が予想されます」

アポフィスが地球に衝突すれば最大で30億トンの塵が成層圏まで巻き上げられ、その一部は3ヶ月間大気中を漂い太陽光を遮り、地球を寒冷化させる…杉田教授はそう予測しているのです。

1991年6月、ピナツボ火山の噴火では、3億トンの塵が成層圏まで巻きあがり、結果地表に到達する太陽光は5%減少し、北半球の平均気温は0.6度下がりました。

もしアポフィスが衝突すれば、ピナツボ火山の10倍の塵が成層圏まで舞い上がります・・その被害は図り知れません。

全世界から発見された小惑星の全ての情報が集まってくるマイナープラネットセンター(アメリカ・マサチューセッツ州)20万個以上の小惑星のデータを管理しています。

アポフィス発見の知らせが入ってから世界中の天文台にマイナープラネットセンターはアポフィスの追跡観測を要請しました・・衝突するか否かは極めて高いデータを必要とするからです。

マイナープラネットセンター 情報担当 ガレス・ウィリアムズさん
「将来どんな軌道になるかを正確に予想しなければなりません・・その為にはより長い期間の観測が不可欠です。もし地球にやってくる天体を発見したら出来るだけ長い期間追跡する・・これが決め手です」

そして世界中の天文台がアポフィスに狙いを定めました・・各国の天文学者からの観測データを基に正確な軌道計算が行われました。

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・・その結果は・・2029年、地球の32,500㎞上空ををかすめて通過する事がわかりました。これは静止衛星より地球に近い軌道です。間一髪、地球は天体衝突の危機を免れたのです。

 

親子が発見!小惑星で恐竜絶滅
6550万年前、恐竜が絶滅した小天体の衝突 

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(ルイス・アルバレス

上記写真は、素粒子物理学者のルイス・アルバレスです。1968年にノーベル賞を受賞して、この方が小天体の衝突によって恐竜が絶滅したという仮説を最初に唱えたのです。

”なぜ素粒子物理学者が?” と疑問に持つと思いますが。ルイス・アルバレスの息子ウォルター・アルバレスが地質学者だったんです。

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(父ルイス・アルバレス 息子ウォルター・アルバレス

ある時、息子のウォルターと父ルイスがしゃべっていた時に、たまたま6550年前の地層の話になったんです。

息子ウォルター:「6550万年前より古い地層からは恐竜の化石が沢山見つかった…しかし新しい地層からは化石が見つからなかった」

そこで父親は素粒子学者なもんで…
父ルイス:「じゃ粘土層を分析しようじゃないか」
…という話になりました。

で…実際に分析してみると隕石や小惑星が運んでくるイリジウムが粘土層に大量に含まれている事がわかったのです。

つまり小天体が衝突して地球全体にイリジウムが広がったのです。

1986年に父ルイスがスウェーデンの王立科学アカデミーでこの話をして、それからこの仮説が広まったんです。

素粒子物理学者」 と 「地質学者」 が一緒になったから、この発見が生まれたという事なんです。

 

迫りくる小惑星
とらえろ!

地球に迫りくる小惑星は、アポフィスだけではありません…小惑星の軌道を研究している宇宙航空研究開発機構 吉川真 准教授は、小惑星は遠からず地球に衝突すると警鐘を鳴らしています。

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吉川准教授は、地球の近くを回る小惑星の軌道を正確に計算しました…その結果です。黄色い線が地球の軌道、その周りにあるのが5700個の小惑星です。

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それぞれを観測からわかった軌道にしたがって動かします。赤く光っているのは地球と小惑星が交差するところです。

吉川准教授の計算では、地球に接近する小惑星の内、衝突する可能性のあるものは、わかっているだけで205個…未発見の小惑星を合わせればいつ衝突してもおかしくないのです。

地球に衝突する未知の小惑星を発見する為にイタリアでスペースガード財団が設立されました…日本・アメリカ・イギリス・オーストラリア・ドイツ・フィンランド・イタリアなど世界7カ国の天文台が参加しました。

日本で参加しているのが岡山県井原市の美星スペースガードセンターです…2台の望遠鏡を使って地球に迫りくる小惑星を探索してその姿を撮影しています…一晩で撮影する枚数は、300枚~400枚、これまで1000個以上の小惑星を発見する成果を上げています。

 

天体衝突から
地球を守れ!

では実際に地球に近づいてくる小惑星が発見された時、どう対応するのかアメリカでは対応策も立てられ始めています。

NASA ジェット推進研究所 ドン・ヨーマンズ博士
「対応策の一つを私たちはディープインパクト計画で実証しました」

2005年1月、NASAが行った壮大な宇宙実験、ディープインパクト計画…それは秒速10キロメートルの猛スピードで動くテンペル第一彗星に向けて探査機からインパクターと呼ばれる弾丸をぶつけるものでした。

超高速で動く小天体に88万km離れた地点からインパクターを発射し命中させるという極めて難しい計画です…しかも標的の彗星は、地球から1億3300㎞も離れています。

電波でも片道7分以上を擁します…地球からの遠隔操作は出来ません…遥か遠くで標的に命中させるためインパクターはカメラで目標の天体をとらえ自ら判断して飛行します。

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衝突の2時間前、この時点からインパクターは地球からの指示を一切受けることなく目標を目指します…インパクターは、自ら判断して軌道を修正して行きます…3回の軌道修正を行い見事目標に命中します。

遥か遠くにある超高速で動く小天体にインパクターを当てる事が出来ると実証したのです。

NASA ジェット推進研究所 ドン・ヨーマンズ博士
ディープインパクト計画で地球に迫りくる小天体に対してインパクターをぶつける事が技術的に可能であると実証しました…数10年後に地球に衝突するとわかったらインパクターをぶつけて速度を落とし、軌道を変える時間的余裕があれば天体衝突は回避できるのです」

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2006年、ヨーマンズさん達が中心となって作成したNASAの天体衝突に関するレポート 『衝突天体の発見と回避策の検討』、 そこには小惑星の軌道を変える為の具体的な方法が記されています。

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重さ15トンのこの宇宙船は、太陽光をエネルギー源としたプラズマエンジンを搭載しています…小惑星を長時間押し続ける事で軌道をずらし地球への衝突を回避するという計画です。

ヨーマンズさん達をはじめNASAの科学者は、十分な時間さえあればこのようにして天体衝突から地球を守る事は可能だと考えています。

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パンスターズ天文台 総責任者 ケン・チャンバースさん
「こちらが1号機です。我々はこのドーム内に2つ目の望遠鏡を設置する事を計画しています」

アメリカ政府はパンサターズ計画に総額1億ドルをかけ、今後更に観測のシステムを拡充して行く予定です…2008年から稼働している1号機の横に2014年までにもう一基望遠鏡を設置します。

その後更に3号機、4号機の建設計画も決まっています。

パンスターズ天文台 総責任者 ケン・チャンバースさん
「仮に地球に衝突する小惑星を見つけたとしましょう…100年後に衝突する小惑星ならそれまでに有効な手立てをする事が出来ます…もし10年後に衝突すると予測されたとしても対策は可能なはずです…全世界が一丸となって危機に立ち向かえば必ず回避出来るでしょう」

望遠鏡を4台に増やす事で観測スピードは格段に向上し、より早期に危険な天体をとらえる事が出来るようになります。

宇宙の中に地球がある限り、避ける事が出来ない天体衝突、一度衝突すれば私たちの文明そのものが消え去るかも知れません。

しかし今、人類はその危険な天体をあらかじめ見つけ更に回避する手段も手に入れつつあるのです。

 

 

 

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