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脚本家 山田太一が勧めるのは、阿部昭 著『短編小説礼賛』

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WBS スミスの本棚
脚本家 山田太一(77歳)が勧めるのは、阿部昭 著『短編小説礼賛』

代表作の一つ、昭和58年に放送された『ふぞろいの林檎たち』では、4流大学に通う学生と看護学校生を主人公に学歴社会の歪みを描いた…当初、山田は大学生を書こうと偏差値の高い大学の学生たちから取材を始めたのだが…

脚本家 山田太一
「三流ぐらいになってくると劣等感や恨みや自分の境遇に対する不満もある…気持ちのひだが全然違いますから一流大学生より、ずっと面白い…そんな男の子たちを取材していたら一流女子大生は相手にしてくれないから看護学校の生徒に声を掛けるというんです」

それから30年が経過して今年出版した小説、『空也上人がいた』は、介護の現場が舞台、念仏を唱えると口から阿弥陀仏が現れたと言う僧侶、空也上人が物語の鍵を握っている。

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脚本家 山田太一
「近代から現代の日本人は、自分が努力すればなんとかなるという考えかたが非常にある…でも、考えてみると人間や人生は努力すればどうにかなるものではない…一人一人限界だらけでしょう…南無阿弥陀仏、何者かに祈るのは、自分の無力の表明でしょう…それって、無力を知り、祈るだけで救われるという考え方に僕は説得される」


脚本家 山田太一(77歳)が勧めるのは、阿部昭 著『短編小説礼賛』です
『短編小説礼賛』、短編小説の名手として知られた阿部昭さんが古今東西の短編の傑作とその魅力を紹介した文学案内です。

脚本家 山田太一
「この一冊読むと短編小説をいっぱい読んだような味わいがあります…短編小説というのはみじかな人間の現実、真実、夢みたいなものをチラっと書くわけ…単刀直入に主題が分かって終を閉じない…読者に委ねられる事が多いから…人生を教えてもらえる…考えさせてもらえる」

主人公亡き後の長編小説が、
何かにわかに風船がしぼむような
淋しい終わり方をするのに対して、
短編小説は主人公を
宙ぶらりんの状態に置き去ることによって、
いわば物語と読者に
未来を与えるのだと言ってもいいだろう。
阿部昭 著『短編小説礼賛』より)

■連続ドラマを書くとき山田さんは、短編を意識しているといいます。

■この本、残念ながら現在、出版社に在庫が無くなっています…ですから古本屋さんや図書館で探してみて下さい。