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歌人 穂村弘(49歳)が薦める一冊、大島弓子著『綿の国星』

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WBS スミスの本棚

歌人 穂村弘(49歳)が薦める一冊、大島弓子著『綿の国星

歌人 穂村弘(49歳)、穂村は古い枠にとらわれない新しいスタイルのニューウェイブ短歌を発表してきた…「短歌の中は異次元、短いしね…だから一瞬なら願いがかなう」(歌人 穂村弘

そんな穂村が薦める一冊、大島弓子著『綿の国星』…漫画・綿の国星、主人公は、いつか人間になれると信じて疑わないチビ猫です。

外の世界や社会に初めて遭遇しながら成長するチビ猫の姿に読者は自分自身を重ねます…穂村さんは自分と世界のずれに悩んでいた高校時代に近所のダイエーで偶然手に取りました。

歌人 穂村弘(49歳)
「今の自分の状況が一気に覆って楽になる事が書いてある本がこの膨大な書物の中にあって、それを見つけなきゃという感覚がその頃はとても強かった」

綿の国星は少女漫画雑誌・ララに昭和53年から連載され、大人の男性が少女漫画を読むキッカケのなりました。

歌人 穂村弘(49歳)
「今、我々がリアルで現実だと思っているものが本当に唯一の現実なのかという事を、大島さんの作品はどれも軟らかいけれど非常に鋭く追及していて…」

穂村さんが強く印象に残った物語が3巻に収められています。…隣に住む歳の離れた男性を好きになった女の子、彼女は以前、猫を飼っていた男性の気を引こうと驚くべき行動に出ます。

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あたしは気が狂っている
演じ続ければ、
いつかきっと猫になれる、
ようは意思力だと
まじめに思っている。

そしてクダラさんは私を見て
どうせよそから猫をもらうなら
この猫を飼おうかということになる

こんな奇想天外な顛末を
あたしは信じている
信じているんだ。(『綿の国星』第3巻「お月様の糞」より)

猫になって好きな男性と一緒になろうと考えた少女、大島作品にはある共通点があると穂村さんは言います。

歌人 穂村弘(49歳)
大島弓子の登場人物ってみんな、そういうところに追い込まれて行く…一度…でそこから奇跡のようにハッピーエンドになるですが、それは我々が知っているこの世の論理でハッピーになるのではなく、それまで一度も考えた事のなかった扉、…気付かなかった扉が開いてその人の狂った夢が報われるという話なんです」

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綿の国星は、行き止まりのように見える人生にも別の扉があると教えてくれるといいます…。

歌人 穂村弘(49歳)
「僕もそうだったけど、どうしても必要な層が一定数いて…だから大島弓子は特別な作家だと思っている人がいたし、今もいる」

大島弓子の作品は、少女漫画というにはあまりにも深い世界で、自分はこの世に何で存在しているのかだとか、死は何なのか、人を愛するというのはどういう事なのかとか人生で大切な要素が漫画の中に入っています。

ですから何かに躓いてしまっている方たちには是非、手にとっていただきたい本です。